学資保険は必要・不要のイメージ画像

このページでは、学資保険のメリット・デメリットを取り上げ、学資保険は必要なのか、また不要なのかについて検証しています。

 

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医療保険については、こちらの医療保険は不要か必要かどうかについて検証してみましたの記事をご覧ください。


 

2019/01/05 10:59:05

学資保険は必要、不要というのを論じる前に

相談者

学資保険が必要か不要なのか判断したいのでいろいろと教えてほしんですけど・・・。

 

 

ファイナンシャルプランナー

まず学資保険とは、子どもの高校や大学などで必要になるまとまった教育費をコツコツと確実にためるための保険なんだ。特徴としてはお金が貯まるだけでなく、契約者と被保険者である子どもにも保障が付いている点だよ。

次に必要かどうかはそれぞれの考え方があるのでメリットやデメリットを紹介するので自分で判断してみて。

 

相談者

契約者と被保険者に保障がついているというのはどういうこと。

 

 

 

ファイナンシャルプランナー

契約者の保障というのは、ほとんど父親か母親が契約者になるけど、その契約者が高度障害になったり亡くなった場合に保険料の払込が免除になるということ。ここが貯金と大きく違っているところ。
そして被保険者の保障というのは、子どもが高度障害や死亡してしまったときに保険金が支払われるということだよ。

 

相談者

学資保険のメリットはそういうところにあるのね。
ところで、必要か不要かについての意見を紹介して。

 

学資保険は必要という肯定派

肯定派の方は、メリットがあるから「学資保険は必要」と考えているわけです。
そこで、どのようなメリットがあるのかご紹介します。

 

ファイナンシャルプランナー

  • 1つ目。ほとんどの学資保険には契約者が重度障害や死亡したときに、「払い込み免除特約」がセットされている点。
  • 2つ目。商品によもよるけど貯蓄性があるということ。自分で支払った保険料よりも満期金が多く受取れる点。
  • 3つ目。18歳満期学資保険なら0歳で加入しても5歳で加入してもちょうど18歳で満期になる点。大学入学時に必要となる入学金や授業料などにあてることができます。
  • 4つ目。所得控除がつかえる点。学資保険も生命保険なので、1年間に支払った保険料に対して保険料控除が使える点。所得税は4万円、住民税は28,000円まで。これにより毎年税金が軽減されます。
  • 5つ目。税金面で有利。満期で受け取った保険金は一時所得になります。だからその際の計算式は、「受け取った満期保険金ー払込保険料ー50万円×1/2=一時所得金額」になる。>つまりは、他に満期になる保険がなければ50万円以上の差益がない限り税金はかかりません。
  • 6つ目。積立貯金よりも利回りがいい点。同じように毎月積立した場合に学資保険のほうが多く受け取れます。(商品によって異なります)

 

学資保険の税金についてはこちらをご覧ください。

 

さらに学資のデメリット、メリットについての詳細は以下のページをご覧ください。
学資保険のデメリット、メリットについて多方面から解説しています

 

 

相談者

そんなにたくさんのメリットがあったなんてびっくりだわ。
他にはないの?

 

 

ファイナンシャルプランナー

メリットではないけど、「子供のための教育費を貯蓄するという意識が強くもてるから」という人もいるよ。

 

そして、もうひとつは、「途中で解約すると損するから」というのもあるよ。

 

「途中で解約は損するから」というのはデメリットに思うけど、実は裏を返すとメリットにもなっているということなんだ。
その意味は、貯金ではいつ解約しても損することはないという意識を持っているため、子どもが大学に行くまでの間には途中で引出してしまうおそれがあるからというわけ。
だけど、学資保険は損するということから手をつけないという意識が働いて逆に満期まで頑張れるというわけ。

 

実際にこの点を貯金と学資保険の両方やっていた方に話を聞いてみると、学資保険のほうが残すことができたという方が多いのです。
まぁ、この点は、お金をしっかりと管理できる方とそうでない方で違ってくると思うけどね。

 

相談者

学資保険は必要と思っている方にはメリット以外にもそういうので選んでいる人もいるのね。
参考になったわ。
では学資保険は不要と思っている人の意見を教えて。

学資保険は不要でしょうという考え

ファイナンシャルプランナー

学資保険を不要と考えている方はメリットよりもデメリットのほうを重視しているからそう思うわけです。そのデメリットを紹介します。

 

  • 1つ目。学資は固定金利商品という点。低金利時の学資保険だと金利が上がったときに乗り換えようにも損するのでそれができない。貯金なら解約して金利のいい商品に乗り換えることができます。
  • 2つ目。先ほどとダブルけど、中途解約は損するという点。
  • 3つ目。インフレに弱いこと。将来教育費が高騰していれば役に立たなく恐れがある。
  • 4つ目。保険会社の倒産すると約束の満期保険金を下回る恐れがあること。

 

保険会社の倒産についてはこちらのページをご覧ください。

 

相談者

なるほど。そういう点がデメリットであるのね。
難しいね。
何か参考になるアドバイスがあるなら教えて。

 

 

ファイナンシャルプランナー

では、次は、学資保険が必要と思われる方はどういう方なのか僕なりの意見を紹介します。

 

以下に該当する方は学資保険で貯める必要があると思われます。

 

貯蓄が上手にできない方

貯蓄意識はあっても何年たっても上手く貯蓄ができていないという方は、預金口座から強制的に保険料を引落したほうがお金を貯めることができます。最初の契約手続きだけで、あとは知らず知らずにめんどうなく貯蓄ができるからね。

 

預貯金をしても貯まる都度、大きな支出を繰り返してしまう方

このような方も、預金通帳を見ればいくら残高があるのかわかるために消費行動を起こしてしまうわけです。それが学資保険ならば中途で解約すると、「損をしてしまう」という意識も手伝い、結果的にはお金を残すことができます。

 

 

相談者

たしかに貯金をしようと思ってもなかなかできないのよね。
先に口座から引かれてしまえば自然と貯蓄ができるというのは確かだわ。
では、不要と思われる方はどういう方なの。

 

ファイナンシャルプランナー

以下にあてはまる方は特に学資保険で貯める必要はないと思われます。

 

  • しっかりと預貯金残高が増えている方
  • 世帯主がしっかりと生命保険に加入している方
  • 貯蓄の意識が高くお金をためる習慣ができている方

 

このような方は特に学資保険でためなくても問題ありません。

 

 

相談者

そういうことね。
わたしの場合は、学資保険が必要という気がするけど、始めるにあたって気になるのが、加入年齢やタイミング、契約条件だと思うけど、その点を教えて。

 

 

ファイナンシャルプランナー

では、加入年齢や加入するタイミングについて説明しますね。
加入年齢について
学資保険に加入できる子どもの年齢は0歳からです。生まれる前から契約できるものもありますが、あくまで仮契約なので、生まれてから正式に契約をします。
年齢の上限だけど、5才までという商品や7才までという商品もあるので、一律何歳までとは言えないんだ。

 

契約者の年齢について
学資保険は子どもの年齢だけでなく、契約者である親の年齢も関係してくるんだ。
一例を出すと、契約者年齢は、男性18歳から75才まで、女性は16歳から75才までという学資保険があります。

 

 

相談者

ちょっと、待って。
なぜ75歳まで契約できるの?

 

 

ファイナンシャルプランナー

それはですね。契約者は父母だけでなく、祖父や祖母でも契約者になれるからさ。

 

 

相談者

そういうことなのね。
契約者は親だけだとばかり思っていたわ。

 

 

ファイナンシャルプランナー

次に学資保険に加入するタイミングについて説明します。
加入するタイミングですが、早ければ早いほどベストになります。
というのも、満期になる年齢は18才とか22才などと終わりは決まっていますので、子どもの年齢が上がっていくに従って保険料が高くなるからです。
積立期間が短くなるから当然ですね。
たとえば、18才満期200万円の学資保険に加入したとします。
0歳であれば8,600円くらいの保険料ですが、3歳では10,900円ほどになりますし、5歳ともなれば12,800円くらいになります。
しかも、早く始めると満期時までの支払総額が一番少なくてすみます。つまり0歳での加入が返戻率が一番高くなるということです。
少なく積んで多くもらうほうがいいわけですから、始めるなら早めがいいというわけです。

 

タイミングは加入月も関係してきます
「加入月」も関係してきますのでご説明します。
例えば18歳満期学資に9月1日を契約日として加入したならば満期で受取れるのは子どもが18歳(高校3年生)になった9月1日以降になります。
この場合は大学等の入学金に間に合うので問題ありません。

 

では、3月1日に契約した場合はどうでしょう。
この場合には高校卒業間近の3月1日以降満期になります。
でもこの3月という時期は満期金が大学等の入学金に間に合わない可能性が高くなります。
そのため、保険会社によって違いますが、17歳満期というような契約にします。
このようにすることで、高校2年生で満期になるため余裕を持つことができます。

 

では、3月に生まれた子どもが翌月の4月に契約した場合どうなるの?
子どもの年齢を1歳とする保険会社なら18歳満期で問題ありません。

 

ですが、0歳とする場合には18歳満期ですと、入学金が必要なときに満期金を手にできないということになるため17歳満期にします。

 

以上が、タイミングについての説明です。
次に学資保険の加入条件について説明します。

 

学資保険の加入条件

ファイナンシャルプランナー

加入する条件にはやはり告知があるので、健康状態について告知をする必要があります。
健康状態によっては、契約できないこともあります。ただし通常の保険に加入するよりも告知はゆるやかになっていますので加入しやすい点というのはあります。
その他の条件としては、契約者と被保険者の年齢条件かな。

 

 

相談者

いろいろと学資保険について理解できてきたわ。
ところで教育費というのはどのくらいかかるものなの?

 

 

学資保険の必要額はいくら

ファイナンシャルプランナー

学資保険に加入するしないにかかわらず、教育費がいくらかかるのか知っておく必要があります。教育費というと幼稚園・保育園から大学までになりますが、一番まとまったお金が必要になるのが大からなので、ここでは大学で必要になる金銭について確認しておきたいと思います。

 

さて、大学といっても、国立もあれば私立もあります。
また通学にあたり、自宅通学と下宿・アパートからの通学もありますが、それのより大きく出費も違ってきます。

 

では、実際に大学昼間においての教育費はどのくらいかかるのか、どのくらい準備しておく必要があるのか統計を見てみましょう。

 

主な出費としては、入学金、授業料、学校納付金、修学費、課外活動費、通学費などになります。

 

〈出典:独立行政法人日本学生支援機構・平成24年度学生生活調査結果、1年間あたりの支出です〉

 

国立大学の場合
国立大学:自宅732,200円、学寮609,700円、下宿・アパート648,000円、平均673,700円

 

私立大学の場合
私立大学:自宅1,328,600円、学寮113,300円、下宿・アパート1,333,600円、平均1,319,700円
授業料だけを見ますと、上記金額のうち、国立の平均は504,700円、私立は975,900円です。

 

学校関連以外の費用について

学校関連の費用以外には、食費、住居費、光熱費、保健衛生費、娯楽・嗜好費、その他日常費の支出があります。

 

それらと先ほどの入学金、授業料、学校納付金、修学費等を含めた金額は以下の項目になります。

 

すべて含めた平均費用

 

以下は1年間あたりの費用です。

 

自宅から通学のケース
国立1,168,000円、私立1,763,200円

 

学寮から通学のケース
国立1,384,500円、私立1,978,400円

 

下宿先からの通学のケース
国立1,795,400円、私立2,411,000円となっています。

学資保険満期時の体験談

ファイナンシャルプランナー

僕の体験談です。子どもの教育費においては、学資保険と積立貯金もしていました。
当時の学資保険の保険料は、郵便局の学資保険で、18歳満期100万円の場合、被保険者0歳では月額保険料は3,800円でした。

 

支払い総額は約82万円で100万円が受取れる時代でした。

 

実際に契約していたのは、400万円ですので月額15,200円。総額328万円の支払いで満期時には400万円+配当金でした。すでにこの保険も8年前に満期で受け取ってしまっていますが、想定外のことがあり、かなり助かったのは事実です。
想定外のこととは、他県の大学に通学することになったためです。
そのため自宅通学ではなく、アパートを借りての通学しかありません。
これについてはまさかという感じでした。

 

それでも4年間の学費分は学資保険でなんとかまかなうことができましたので、アパートの家賃や生活費を工面し、たいへんでしたがなんとかやりくりできました。

 

学資保険を始める時は、そんな先のことを0歳から始める必要があるのかと思ったのと、安給料なのに15,200円もの保険料ではじめてしまって大丈夫かなと不安もありましたが、結果は大正解でした。

学資保険の必要性のまとめ

最後に今までの説明を総括しますね。
子どもの教育費や日常生活日を含めて、自宅からの通学で年間に1,763,200円、下宿では2,411,000円かかるという統計が出ています。どちらも私立に通った場合の金額です。

 

1年間でこの金額です。大学は4年間ありますからその4倍ということになります。将来この出費があることがわかっているわけですから準備をしておくことにこしたことはありません。

 

そこで、この教育費を貯めるために、低金利時代だからこそ学資保険ではインフレになったとき対処できないというデメリットを優先的に考え「学資保険は不要」という意見もあります。

 

一方で、契約者に万が一の重度障害や死亡があっても確実に残していけるというメリットを優先的に考え「学資保険は必要」という意見もあります。

 

結論としては、インフレになるかどうかわかりませんので、結果を見ないとどちらがよかったのかはわかならいというのが正直なところですが、運用などと不確実な商品ではなく、契約者に万が一のことがあっても確実にコツコツと残していきたいという方にとっては積立定期預金よりも金利がいい学資は魅力的な商品に間違いはないとは思います。

 

いずれにしましても、「その時に教育資金があるかどうか」ということにつきますので、貯蓄に対して、どういうタイプの人間かを考えた上で商品選択をし、確実に貯めていくことが大事かと思います。

 

該当カテゴリー:生命保険
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