会社を立ち上げると従業員だけでなく社長や役員の生命保険に加入するべきか気になってくるのではないでしょうか。そこで、社長や役員は生命保険に加入する必要があるのかについて考えてみたいと思います。

 

2015/06/01 09:59:01

社長や役員は生命保険に加入する必要があるの?

生命保険の契約は、個人を契約者とする契約と会社(法人)が契約者や受取人になっての契約締結があります。とかく生命保険というと個人で契約するものだけと思いがちですが、会社で契約する方法もあるのです。

 

では、なぜ会社fが契約者となり、社長や役員を被保険者として保険を掛ける必要があるのでしょうか。その理由をいくつかあげてみます。

会社に借金があって社長が死亡したときのために保険に加入しておく

社長が生命保険に加入しておくべきいくつか理由はありますが、まずは事業をおこなっていると銀行等から融資を受けることがあります。

 

この場合、社長が突然死亡してしまった場合に、会社によっては存続が危ぶまれることが多いに考えられます。

 

問題はそれでも借金は残って返済することになります。

 

会社を閉鎖するという場合、多くは社長自身が連帯保証人になっていますので、遺族が借金も相続することになり返済関係が生じてきます。

 

遺族は財産よりも借入が多ければ相続放棄ということも考えられますが、それでは自宅や預貯金も手放さなくてはいけなくなります。

 

やはり、こうなるのは悲惨です。
そこで、考えられるのが会社が契約者となり、社長を被保険者、受取人を会社として生命保険の契約するということが考えられます。

 

  • 契約者:会社
  • 被保険者:社長
  • 受取人:会社

 

死亡保険金は融資にみあった分にし、なるべく安い掛金ということであれば無解約返戻金型定期保険か収入保障保険が候補に上げられます。

 

このような契約をしておくことで社長に万が一のことがあっても、保険金で借入金を返済することができますので、遺族にも迷惑はかけずにすみます。

 

 

急な資金が必要なときがある

急な運転資金が必要といっても、金融機関でもおいそれとすぐには融資はしてくれません。数期前からの決算内容や現状の事業内容や状況をみて判断されますので、融資が受けられないことも当然あります。

 

そんなときに、会社が契約者となり、資金もたまるものを掛けておけば、社長等には死亡保障があり、急な運転資金等もそこから貸付をうけることができます。
ただし貸付金は、解約返戻金の範囲内で行われるため、保険をはじめたからといって、すぐには借入ができません。そのため早めの準備が必要となります。

社長自身の退職金準備のため

社長や役員は自分で用意しない限り退職金がありません。その退職金を生命保険を使って準備することが考えられます。

 

退職金作りのための生命保険を活用したメリットとしては、契約中は、死亡保障がありながら退職金を準備できる点にあります。また、契約内容によりますが、保険料の半分は損金計上ができるため、課税の繰り延べができる点もあります。

 

役員の退職金は、一般的には以下の算式により計算します。適正額であれば損金算入が認められていますが、過大な報酬であると税務署に判定されると、その部分については損金不算入となります。
最終報酬月額×在任年数×役位別功績倍率

 

役員功績倍率は、一般的に会長・社長:3.0、専務:2、取締役:1などになります。しかしながらこの数値は目安であり絶対的なものではありません。

 

たとえば、最終の役員月額報酬が100万円で社長としての在籍が20年の場合は、100万円×20年×3=6,000万円になります。

 

この金額が妥当かどうかは、同規模や類似業種の法人と比べて判断されることとされています。

 

結局、役員退職金は、役員退職給与規定で決めた分は支給することはできます。ただし、それが過大かどうかは税務署が決めることになります。もしも過大であるとなると、その部分は会社は損金算入ができず、もらった社長や役員は退職金控除が使えずに、たんなる役員報酬になってしまうので、高い所得税や住民税を支払うことになります。

 

このように役員退職金の金額については、非常に曖昧ではありますが、世間一般的に常識的なものであり、役員退職給与規定に沿って支給されていれば認められているようです。

 

社長や役員が病気やケガで仕事ができない

病気やケガで入院しているとき、あるいは退院後の自宅療養で仕事に従事できないことがあります。
入院しているときには、医療保険を掛けて入れいば入院給付金が支払われますが、退院後の自宅療養ともなると支払い対象にはなりません。

 

このような就業不能リスクに備えておけるのが、所得補償保険や就業不能保険になります。所得補償保険は、保険金支払い期間が主に1年や2年になりますが、就業不能保険では、60歳や65歳まで長期間支払うものもあります。

 

こちらの詳細は、就業不能保険は必要?傷病手当金や障害年金から考えるアフラックの給与サポート保険と所得補償保険を比較をご覧ください。

社長の生命保険のまとめ

社長が生命保険に加入するにあたっての理由は以下のものになります。

 

  • 社長の死亡:銀行等から融資を受けている場合の返済のため
  • 急な資金が必要:生命保険から貸付が受けられる
  • 社長自身の退職金準備のため:社長自分で用意しない限り退職金がないため
  • 病気で仕事に従事できない場合に備える(就業不能保険、所得補償保険

 

以上、社長や役員は生命保険に加入する必要はあるの?についての記事でした。

 

該当カテゴリー:生命保険
関連カテゴリー:健康保険労災保険自動車保険