就業不能保険は必要?それとも不要?公的保障を含めて徹底解説!

労働者のリスクのひとつとして、病気やケガでの長期休業があります。健康保険に加入しているサラリーマンなら1年6カ月まで健康保険から傷病手当金のサポートがあります。

 

でも、自営業者にはありませんので直に収入減となってしまう場合があります。このようなリスクに備えるために就業不能保険が販売されています。

 

しかしながら、先ほどもふれたように、サラリーマン等には、健康保険から傷病手当金が支給されますし、障害状態になってしまった場合には国民年金や厚生年金からの障害年金の支給があります。これらの公的保障がありながら、それでも就業不能保険に加入する必要はあるのか、それとも不要なのか疑問に思う方もいらっしゃると思います。

 

そこで当ページでは、どのような方が就業不能保険が必要なのか、不要なのか取上げ、またご自分で判断もできるように材料を載せてみましたのでご覧ください。

 

就業不能保険とは?

就業不能保険とはについて知るために特長からご覧ください。

 

病気やケガで働けなくなったときに支払われます
入院中だけでなく在宅療養のときでも保障されます
働けない状態が続く限り、保険期間満了まで就業不能保険金が支払われます

 

それでは就業不能保険にはどんな役割があるのでしょうか。

死亡、重度障害、入院。これらに該当する場合には、生命保険や医療保険で保障されます。ですが、病気やケガで在宅療養をしているとなると、生命保険や医療保険ではカバーされていません。

 

そこで、そのリスクとして抜け落ちている在宅療養で働けない状態を保障をするのが就業不能保険になります。

 

次に就業不能保険が必要、もしくは不要と思われる方について考えてみます。

 

就業不能保険が必要・不要な人

個人的見解となりますが、就業不能保険が必要と思われる方、不要と思われる方は次の方々です。

 

就業不能保険が必要な人

  • 自営業の方
  • 貯蓄のない方
  • 会社の福利厚等で十分な保障のない方
  • 毎月貯蓄ができていない方
  • 住宅ローンのある方:(就業不能により返済が免除になる団体信用生命保険加入者は除く)

 

どうして自営業者には必要なのか

自営業者が加入するのは、国民健康保険です。
病気やケガで働けなくなったときの保障があれば、いいのですが、残念ながらありません。

 

一方で、サラリーマン等が加入している健康保険ならば傷病手当金があります。このような違いがあります。そのために自営業者は病気やケガにより働けないときにどうするのか考えておく必要があるのです。

 

就業不能保険が不要と思われる方

就業不能保険が不要と思われるのは、以下の方々です。

 

  • 貯蓄がたくさんある方
  • 配偶者に十分な収入がある方
  • 会社の福利厚生等で十分な保障が受けられる方

 

福利厚生で十分な保障が受けられる人とはどういうこと?

健康保険には、主に中小企業の従業員等が加入する協会けんぽと大手企業の従業員が加入する健康保険組合があります。

 

どちらも被保険者が病気がケガで4日以上働けなくなったときには傷病手当金制度により1年6カ月(法定給付)まで給付が行われる制度はあります。

 

この点はどちらも同じですが、さらに健康保険組合によってですが、1年6カ月までの法定給付に加え、さらにそこから独自に6カ月、もしくは1年6ヶ月等の給付を行う、延長傷病手当金を設けている健康保険組合もあります。

 

健保組合の延長傷病手当金の例

 

それでは、さらに詳しく傷病手当金や障害年金の保障はどうなっているのか見てみましょう。

 

サラリーマンは病気で働けなくなっても傷病手当金がある

サラリーマンには、病気やケガで就業不能になったときの公的保障には、2種類あります。ひとつは健康保険からの傷病手当金。もうひとつは国民年金や厚生年金制度にある障害年金です。

 

これらがありますので、就業不能保険は必要ないのかどうか判断材料として以下をご覧ください。

 

傷病手当金とはどんな制度なの

傷病手当とは、業務外の病気やケガで4日以上連続して仕事を休んだ時に4日目から最長1年6ヶ月にわたって健康保険から支給される手当です。

 

休んでいる間に給料の支払いがある場合は、傷病手当金よりも多ければ支払われませんし、少なければその差額が支給されます。

 

傷病手当金の支給額は、過去12ヵ月間の各月の標準報酬月額を平均した金額の3分の2相当額になっています。

 

傷病手当金は、業務外の病気やケガで4日以上仕事を休んだ場合となっている点です。業務上での場合は労災保険から支給されます。

 

障害年金とは

国民年金や厚生年金制度に加入している方が、初めて医師の診療を受けたときから、 1年6ヵ月経過したとき(その間に治った場合は治ったとき※)に法令で定める障害状態になったときに支給される年金です。

 

「その間に治った場合は治ったとき」とは、身体の一部に欠損や機能障害を残している場合やすでに症状が固定してしまって、それ以上治療しても効果があらわれない状態をいいます。

 

障害年金には2つある

障害年金には、障害基礎年金と障害厚生年金があります。障害基礎年金は、障害等級1級、または2級に該当したときに支給されます。障害厚生年金は障害等級1~3級に該当したときに支給されます。

 

障害等級1~3級についての詳細は日本年金機構のサイトをご覧ください。

 

自営業者で国民年金に加入している方は、障害基礎年金だけの支給です。サラリーマン等で厚生年金に加入している方は、障害基礎年金と障害厚生年金の両方(障害等級3級は除く)からの支給になります。

 

共済年金は、平成27年10月から厚生年金に統一されています。

 

結局のところ、サラリーマンには就業不能保険は必要ないの?

考え中

実際に傷病手当金や障害年金はいくらもらえるのかがわからなければ判断のしようもありません。そこで、具体的な事例をあげてみました。

 

例えば、健康保険に加入しているサラリーマンをAさんとします。この方には配偶者と18歳未満の子どもが1人います。就業時の収入が月額36万円(過去12ヵ月間の各月の標準報酬月額を平均した金額)です。

 

そのAさんが病気で就業不能となり、傷病手当金の支給を受け、障害年金2級にも該当した場合の事例です。

 

この場合には、傷病手当金:月額約240,000円。その後障害年金が月額約155,000円(障害基礎年金+障害厚生年金)になります。下の図を見ればイメージできるかと思います。

 

傷病手当金と障害年金の受取り額

 

つまり、基本給の他に諸手当を含んで月額36万円の給料の方は、傷病手当金では、約12万円少なくなるので、月額24万円になります。障害年金では、20万5,000円ほど少なるので、月額約155,000円です。

 

これで家計のやりくりができるかどうかです。
ただし、障害状態となった場合に介護が必要かどうかも関係してきますからこの点も考えなくてはいけません。

 

というのも、40歳以上65歳未満の方は、介護保険が使えるかどうかは16の特定疾患に限定されています。ここには、脳血管疾患や末期がん、難病といわれる病気のいくつかは入っていますが、それ以外の病気やケガは介護保険は利用できません。

 

医療保険でも医師が訪問看護の必要性を認めれば利用できますが、週に1~3回までで1回の利用時間数については、30~90分の範囲となっています。

 

そのためそれ以外の方や該当者でも利用回数を増やしたいときには、自己負担によりホームヘルパーに依頼することになります。というわけで、このような支出も考えておく必要があります。

 

それでも、配偶者にも収入があって家計が回る、あるいは貯金も十分ある方等は就業不能保険は不要という判断になるでしょう。反対に貯蓄もあまりないし、収入がそんなに減ってしまったら困るという方は必要という判断になるかと思います。

 

さらに判断材料として、就業不能保険のメリットとデメリットを見てみましょう。

就業不能保険のメリットとデメリットから考えてみる

まずは、メリットからです。

 

メリット

  • 病気やケガにより、在宅等で療養が必要で働けない状態が続いている間は、保険期間満了(60歳等)まで毎月保険金が支払われる
  • 受取った保険金は非課税
  • 保険料控除に使える

保険料控除は、限度もありますので、他に生命保険に加入していて限度を超えている方にとってはメリットにはなりません。

 

メリットしてはこのような感じです。次にデメリットです。

 

デメリット

  • 保険料は掛捨て
  • 保険金を受取っている間も保険料の支払いがある(商品による)
  • 支払対象外(免責)となる期間がある
  • 一般的には精神障害では支払われない
  • 妊娠・出産は対象外
  • 死亡保険金はついていない
  • 在宅療養の場合には保険金支払の定義がわかりずらい(あいまい)

 

上記の中にある「支払対象外(免責)となる期間」と「在宅療養の定義」についての詳細を見てみましょう。

 

支払対象外(免責)期間を比べてみました。
  • アフラック・給与サポート保険:60日
  • ライフネット生命・働く人への保険2:60日または180日
  • 日立キャピタル・リビングエール:60日、90日、120日、180日、365日から選択可能
  • 東京海上日動あんしん生命・家計保障定期就業不能プラン:60日
  • チューリッヒ生命・くらすプラス:60日
  • 太陽生命・保険組曲ベストの特約:30日
  • 住友生命・Wステージ 未来デザイン1UPの生活障害収入保障特約:30日
  • ソニー生命・収入保障保険の生活保障特則:180日

このように少ないところでも30日間は免責がありますので、20日程度在宅療養しても保険金をもらうことはできません。

 

在宅療養の定義について確認してみました。

在宅療養については、以下のようになっています。

 

1、病気やケガの治療を目的として日本国内の病院または診療所において入院している状態
2、病気やケガにより、医師の指示を受けて自宅等※で在宅療養をしている状態
※「自宅等」は、日本国内に限ります。また、老人福祉法に定める有料老人ホームおよび老人福祉施設ならびに介護保険法に定める介護保険施設等を含みます。引用:ライフネット生命

 

病気やケガで入院または医師の指示による自宅療養により「いかなる業務(仕事)にも全く従事できない状態」のことをいいます。
「いかなる業務(仕事)にも全く従事できない状態」とは、病気やケガになる前の業務(仕事)だけでなく、他の事務作業や軽作業等の仕事も全くできない状態をいいます。
引用:日立キャピタル損害保険

 

入院の場合には、保険金を受取るのにトラブルは少ないと思います。ですが、在宅療養ともなると、医師の指示による在宅療養やいかなる業務(仕事)にも全く従事できない状態とありますので、請求したのに支払われない、あるいは、支払いがストップされたなどがありそうです。

 

例えば、すでに症状が固定して、医師による治療の必要性がなくなれば、医師の指示による在宅療養ではなくなります。そのため仕事に復帰できていなくても、支払はストップされてしまいますから注意が必要です。

実際にはどんな病気で支払われているのか

ライフネット生命では、下記のような病気で給付金が支払われています。

 

 

以上ですが、ご自分では必要か不要かどのように判断されますか?

 

 

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