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このページでは60歳からの方が生命保険(終身保険)、医療保険、がん保険、共済などに契約するときの判断基準やどのような点に注意をしたほうがいいのかなどについて解説します。※保険商品を勧める記事ではなく、FP技能士が本音で書いた記事です。

 

 

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2017/11/20 17:57:20

60歳からの生命保険

60歳からの生命保険は、どういうものがいいのでしょうか。

 

結論からいいますと答えは、ひとつではありません。
まだ未成年の子どもがいる方であれば、死亡保険もある程度必要です。
すでに子どもが独立されている方なら掛け捨て型の大きな死亡保障は不要です。このように人それぞれ家族構成が違っているため加入すべき生命保険も違ってきます。

 

ここでは、後者の「すでに子どもが独立されている方向けの商品」について考えてみます。
60歳以降に加入する保険としては、終身保険や医療保険、ガン保険、そして共済などが考えられます。

 

それぞれについて、ひとつずつご紹介致します。

 

60歳以降の保険、終身保険

終身保険は、一生涯保障が継続できるのが特徴になりますので、俗に「葬式保険」とも言われます。そこで、相続や葬儀、お墓などの費用を家族に残してあげる活用法が考えられます。

 

デメリットとしては、60歳以降に契約する場合にどうしても保険料が高くなってしまうことです。そのため、契約にあたっては、退職して完全な年金生活者となったときにでも支払いが続けられるのかを考えなくてはいけません。

 

例1)
A社、保険金額300万円、保険料支払い期間:終身払い
60歳男性:10,512円(月額)
60歳女性:7,944円(月額)

 

例2)
B社、保険金額300万円、保険料支払い期間:70歳払済み
60歳男性:24,102円(月額)
60歳女性:21,660円(月額)

 

例2は、掛金の支払いは10年間で終了しますが、例1に比べ月々の保険料は高くなります。支払い総額は、男性では約289万円、女性では約260万円です。300万円残すのにそこまで支払う必要ありません。

 

それに比べて例1は、月々の保険料は例2よりも少ないですが、払込満了がありませんので、保険料を一生涯支払っていきます。計算すればわかりますが、男性では74歳を超えると保険金である300万円を超過します。女性は約92歳が分岐点になり、それ以上は超過します。

 

つまり、例1の終身払いは、言葉は悪いですが、長生きをすると保険金をオーバーするようになります。

 

ただし、月払いではなく、数年払いや全期前納(保障期間の始めから最後まで支払う方法)などによって累計での支払い保険料は少なくすることもできます。この場合は、途中でお亡くなりになっても、先に支払っている分は、未経過分として保険料は還付されますから損することはありません。

 

例えば、60歳の方が、500万円の終身保険に加入し、10年分の保険料として450万円を支払ったとします。

 

しかし、運悪く65歳でお亡くなりになったときには、死亡保険金500万円と亡くなった以降の保険料である未経過分が還付されます。

 

※一時払終身保険の場合は、全期前納とは違い、未経過分の保険料還付はありませんのでご注意ください。

 

それぞれ一長一短がありますが、指定した受取人に保険金が必ず残せる終身保険のメリットには違いはありません。また、保険金は、預貯金とは違い、「500万円 × 法定相続人の数 = 非課税限度額」とすることができます。

 

※ 上記で例1例と2での終身の保険金を300万円としていますが、一般的には200万円から契約は可能です。

60歳からの医療保険

医療保険に契約したいと思っても、若い年代に比べて掛金が高くなってしまというデメリットがあります。この点は入院する確率が高くなるので致し方ないところがありますが、入院しても預貯金で対処できるのなら、あえて医療保険の契約をする必要はないかと個人的には思います。

 

しかしながらそうできない場合には、医療保障を考えることも必要でしょう。

 

その場合ですが、何歳まで入院保障が必要なのか、1日の入院保険金がいくらくらい必要なのか、また掛金は問題なく支払いが継続できるのかも含めて検討が必要です。

 

例)
入院1日あたり10,000円、保険期間:終身、払込期間:終身の場合

 

・60歳男性:8,917円(月額)
・60歳女性:7,057円(月額)

 

入院1日あたり1万円も不要と考えるなら半分の5,000円から契約もできます。この場合の保険料は、上記の半分になります。

 

終身保険に加入済みの方は医療保険は不要?

すでに終身保険に加入してある程度の年数も経過していれば解約金が貯まっています。
それならば、あえて医療保険に加入する必要はないかと思います。

 

その理由としては、いざというときには終身保険から貸付をすることができるからです。
ひとつの方法としては、契約される予定の医療保険料に見合った金額を積立します。そしてもしも入院してしまったならば、その積立金を崩して医療費等の支払いにあてます。それでも不足するならば、終身保険から貸付を受けます。

 

その後に、終身保険から借りた貸付金はコツコツと返済していけば完済できますので、個人的にはこのような方法でもよいと思っています。それでも終身保険に加入していないし、やはり不安に思うならば医療保険に加入すべきかと思います。

 

さらに詳しくは、60歳代の医療保険についてをご覧ください。

60歳からのガン保険

医療保険に加入して、さらにガン保険ともなると保険料の支払いはほぼ2倍になります。それでも問題なく支払えるのであればいいのですが、そうでない場合には、医療かガンのどちらかを選択する必要がでてきます。

 

医療保険は、治療のための病気やケガでの入院はすべて給付対象になりますが、ガン保険はガンだけに特化した商品ですから、すべての疾病についての入院が保障されるわけではありません。

 

しかしながらガン保険のメリットとしては、ガン(悪性腫瘍)と診断され入院や手術などをされたときにはガン診断給付金や入院、手術給付金、通院給付金などが支払われます。そのため一般的には100万円以上のまとまった給付金になります。医療保険よりたくさん受取ることができますのでこの点がガン保険のメリットになります。

 

保険料の例

保険期間:終身、ガン入院10,000円、診断給付金100万円、手術、退院給付金ありの場合

 

・60歳男性:7,950円(月額)
・60歳女性:4,330円(月額)

 

このような保険料になります。

 

共済はどうなの?

共済といえば、JA共済が有名ですが、ここではそれ以外の全労災やコープ共済、都民共済、県民共済などについて見てみましょう。

 

各共済には、たくさんの種類の商品があります。その中で60歳以降に特化した商品があります。

 

  • 全労災:シニア医療タイプ、シニア総合タイプなど
  • コープ共済:あいぷらす、たすけあい、終身医療
  • 都民共済:総合保障型、入院保障型、65歳~69歳は熟年型

 

たとえば、「コープ共済のあいぷらす」は、死亡保障を主として入院保障も特約として付加できます。「たすけあい」は、医療保障を目的にしています。

 

どちらも、60歳から69歳までの健康な方なら加入できます。そして10年間は契約時の保険料のまま継続できます。10年目以降は85歳まで更新できますが、掛金は更新時のものになります。

 

コープ共済・60歳男性の掛金例

  • たすけあい:月々2,100円、入院保障日額5,000円(1日目から184日分まで)、手術(2.4.8万円のいずれか)、ケガ通院日額1,500円、病気死亡10万円、事故死亡10万円+100万円
  • あいぷらす:月々1,790円、死亡保障(病気、事故とも)100万円

 

どちらか一方だけでも加入できますし、両方の契約も可能です。非常にお安く保障もそれなりにありますので、これだけで十分かと思ってもしまいます。70歳くらいまで保障があれば十分と考えるのであれば、このような共済商品でよろしいかと思います。

 

全労災のシニア医療タイプ

全労災にもコープ共済のあいぷらす、たすけあいと似た商品として、シニア医療タイプとシニア総合タイプがあります。(平成29年10月時点)

 

ただしこちらは、新規加入年齢は満60歳~満64歳となっていて、最高満70歳までの保障になります。
シニア医療タイプの月々掛金は2,000円ですが、入院保障は日額3,500円となり、連続5日以上の入院が必要です。70歳以降は移行タイプとなり、掛金はそのままで入院保障は日額1,500円となりますから、「コープ共済のたすけあい」と単純に比較するとコープ共済のほうがよいようです。

 

生命保険会社で保険を考えるなら

生命保険会社で保険契約を検討するならば、終身保険、終身医療保険、終身がん保険のすべてに加入するとなると保険料もかなり高くなります。しかも長期間支払うことを考えると、この中のいずれかを契約する方が多いかと思います。

 

どれを選択したらいいいのか、またはどうしたらいいのかわからない方は、お近くの保険のプロにご相談してみるのもひとつの方法です。

 

もしくは、相談する前に自分で再度商品の違いを今一度知ってみることから始めてみてはいかがでしょうか。それから相談しても遅くはありません。

 

パンフレットからでも十分な比較はできます。
生命保険を徹底比較!!複数の保険会社を比べる

 

もしも持病をお持ちなら

60歳代ともなってくると、若い年代に比べれば、血圧や血糖値、肝機能数値なども健康診断や人間ドックなどで指摘されている方も多いかと思います。

 

このような方にとってやっかいなのが、生命保険に加入するためには告知がありますから、契約をしたいけど加入できないケースが出てくることです。

 

いくつかの保険会社の告知書を見てみますと、過去3か月以内に医師の診断を受けたことがありますか?過去5年以内に入院や手術、通院などで7日以上に渡って医師の診察をうけたことがありますか?などの質問事項がありますので、「はい」か「いいえ」で答えるようになっています。

 

持病のある方ならば、医療機関へ定期的に薬などをもらいに行っているはずですので、「はい」に〇がつくかと思います。

 

またその場合、告知書には病名や服用している薬の名前、通院しいている、あるいは通院していた病院名、入院したことがあればいつからいつまでしたのかなども記入します。保険会社は、この告知内容を見て引受可否の判断をします。

 

過去の職業経験からですが、血圧や血糖値が高くても一定の数値の基準(年齢で異なる)はありますが、また複合的な持病をお持ちでないなら加入できないわけではありませんから申し込んでみるのもひとつの手です。引受不可となっても初回保険料は返金していただけます。

 

緩和型の医療保険はどうなのか

持病がある方のために一般的な医療保険ではなく、保険会社によっては緩和型の保険が用意されています。

 

緩和型医療保険とは、告知の質問事項がゆるいので、持病があっても加入しやすいタイプの保険をいいます。

 

結論からいいますと、一般的な医療保険よりも保険料が割増されていますのでお得とはいえません。

 

ただし、緩和型医療保険ではなく、緩和型の終身保険があります。
こちらは、保険で葬儀代等を残すという目的ならば検討の余地はありそうです。

 

確認したところ、ほとんどの緩和型終身保険は、保険料の支払いが終身払いなので保険金をオーバーしてくる年齢があります。ですのでその年齢を計算してみて納得した上で契約をすべきです。

 

たとえばですが、オリックス生命の緩和型終身保険・新ライズサポート(宣伝しているわけではありませんよ)にてインターネット上で試算してみました。

 

保険金200万円で、65歳男性ですと、月額12,008円(平成29年3月時点)と算出されました。200万円を12,008円で割ると、166ヵ月分です。

 

つまり、166ヵ月=13年8カ月ですから、65歳の方は78歳8カ月よりも長生きした場合には、累計支払保険料は保険金を上回ることになります。それよりも短くこの世を旅立ってしまったならば損はありません。

 

多少損しても、貯金では残せそうもないからと思うならば、契約もいいでしょうが、長生きしたら損すると思うならば、やめておいたほうが無難かと思います。

 

自分の場合はどうしたらいいの?

保険を新たに考えている人もそうですが、特に、すでに保険に入っている方は、今の保険を見直して新たに加入したほうがいいのか、それともそのままがいいのか自分では判断がつかない方もいらっしゃると思います。こういった場合にはやはり相談するのがベストです。

 

まず、相談先で頭に浮かぶのが現在契約している保険会社です。
しかしながら、保険の相談をしても他の商品を勧められる傾向がありますから、あまり得策とは言えません。

 

そこで、候補先として3つが考えられます。

 

保険相談先の候補

  1. 複数の保険会社を扱っている保険ショップに来店し相談する
  2. 自宅や近所のファミレス等で出張型のFP(ファイナンシャルプランナー)に相談する
  3. 保険を取り扱っていない、保険代理店とも提携をしていないFP事務所などに有料(1万円以上から数万円)で相談する

 

この中で中立な立場でアドバイスを受けられるのが3番です。ただし実際に保険に加入するとなると保険代理店を紹介をしていただくか、自ら探すことになります。

 

1と2は、相談したからといっても無料であり、なおかつ契約を迫られるわけではありませんが、新規加入や見直しをされたほうが得と思わせるトークをする場合が考えられます。

 

ただし、FPの資格を持っているからといっても中立・公正なアドバイスとは関係ありません。あくまで保険販売者がFP資格を保有していると思って相談しましょう。

 

いずれにしても、1と2のどちらかに相談されるなら複数の会社に相談するのがベストです。以上、60歳からの生命保険選びについてでした。

 

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