アフラックの給与サポート保険は、就業不能状態が60日継続したと医師に診断されたときに保険金が支払われます。このような保険を一般的には所得補償保険と言います。また住宅ローンを抱えている人にとっては別称として住宅ローンサポート保険とも言っています。

 

同じような保険として、団体信用生命保険の補償拡大版として、りそな銀行から三大疾病や身体障害になると住宅ローンが0円になる特定状態保障特約付住宅ローン「団信革命」も販売されています。
前者と後者では内容は異なりますが、住宅ローンを抱えつつ、就業不能状態となってしまった場合を考えると、どちらの商品を選択するべきかについて参考となるように両者を比較してみました。

 

2016/07/09 15:03:09

アフラックの給与サポート保険とりそな銀行の団信革命の違いを比較

アフラックの給与サポート保険とりそな銀行の団信革命の違いはどういうところにあるのでしょうか。

 

アフラックの給与サポート保険は、1回から6回分までは就業不能状態が60日継続したと医師に診断されたときに短期回復給付金が支払われます。6回分までは就職困難状態が継続している必要がありません。7回目以降は就職困難状態が継続している必要があります。詳しくはこちらのアフラックの給与サポート保険と他の所得補償保険を比較検証をご覧ください。

 

一方、りそな銀行の団信革命は、支払い要件として、死亡や重度障害、がん、心筋梗塞、脳卒中、あるいは病気やけがによる16の身体障害状態、所定の要介護状態になったときに住宅ローンが「0円」になるものとされています。

 

これらのことから金銭の支払いの違いとして、アフラックの給与サポート保険は、毎月という形で振込まれ、りそな銀行の団信革命は一括保険会社から銀行に保険金が支払われるので住宅ローンが一気に0円になることがわかります。

 

では、具体的な事例から見てみた場合に、たとえばですが、自動車事故等により複数個所骨折し、入院や通院で120日間就業不能状態(身体障害状態にはなっていない)となった場合は、どちらがどうなるでしょうか。

 

このような場合、アフラックでは就業不能のため保険金が6回分支払われますが、りそな銀行の団信革命は住宅ローンが0円になるわけではありません。以下に示した所定の身体障害状態には該当しないからです。

 

このようなケガで就業不能となっても、所定の身体障害状態には該当しない場合は、アフラックの給与サポート保険のほうが有利になります。

 

次の事例として、ガンと診断確定され3か月で仕事に復帰した場合などはどうでしょうか。
この場合、アフラックでは、短期回復給付金が6回まで支払われますが、そこで終了です。

 

一方、りそな銀行の団信革命は、ガンなど三大疾病の状態に該当する場合はその時点で住宅ローンが0円になります。このような三大疾病には団信革命のほうが優れているといえます。

 

以上のようにケガの具合や三大疾病などの病気によって、どちらがいいのかは変わってきます。

 

住宅ローンサポートとしての大きな違い

アフラックの給与サポート保険は、保険期間65歳までが限度です。よって、身体障害等で就業不能となり65歳まで毎月保険金が支払われたとしても住宅ローン返済がそれ以上ある場合は、ローンが残ってしまいます。

 

団信革命は、支払い要件に該当した場合は、ローン契約が何歳まであったとしてもその時点で完済となります。このような違いもあります。

 

しかしながら65歳過ぎまで住宅ローンがある方は、その回避策として、毎月の住宅ローン返済額よりも保障額を多くなるように契約しておけば、徐々に繰り上げ返済にも回していけるので65歳までには完済させることも可能です。

 

その他の違い

アフラックの給与サポート保険は、自分の銀行口座に振込まれるので、住宅ローン返済に回そうが、他に使おうが自由です。

 

りそな銀行の団信革命は住宅ローンに一括返済されるので自由には使えません。このような違いもあります。

 

りそな銀行の団信革命の16の身体障害状態とは?

16の身体障害状態も以下の2つに分けられます。

 

病気やケガを問わず所定の身体障害状態をいうもの
  • 呼吸器の機能に著しい障害を永久に残し、酸素療法を受けたもの
  • 恒久的心臓ペースメーカーを装着したもの
  • 心臓に人工弁を置換したもの
  • 肝臓の機能に著しい障害を永久に残したものまたは肝移植を受けたもの
  • 腎臓の機能を永久に失い、人工透析療法または腎移植を受けたもの
  • ぼうこうを全摘出し、かつ、人口ぼうこうを造設したもの
  • 直腸を切断し、かつ、人工肛門を造設したもの
  • 1上肢を手関節以上で失ったもの、1上肢の用を全く永久に失ったもの、1上肢の3大関節中の2関節の用を永久に失ったもの
  • 1下肢を足関節以上で失ったもの、1下肢の用を全く永久に失ったもの、1下肢の3大関節中の2関節の用を永久に失ったもの

 

不慮の事故による傷害を直接の原因とした所定の身体障害状態に該当するもの
  • 1眼の視力を永久に失ったもの
  • 脊柱に著しい奇形または運動障害を永久に残すもの
  • 1手の5手指を失ったもの
  • 1手の第1指(母指)および第2指(示指)を含んで4手指を失ったもの
  • 10手指の用を全く永久に失ったもの
  • 10足指を永久に失ったもの

 

次は保険料の違いです。

アフラックの給与サポート保険とりそな銀行の団信革命の保険料の違い

アフラックの給与サポート保険とりそな銀行の団信革命の保険料負担はどのくらい違うのか比較してみました。

 

しかしながら団信革命は、住宅ローン金利に0.3%の金利を上乗せするので、生命保険のように性別や年齢で保険料が決まるのではなく、住宅ローンの金利や借入額、返済期間によって違ってきます。

 

そこでここでは、2016年7月現在のりそな住宅ローンの長期固定金利で返済期間30年、借入額2,000万円、もうひとつは3,000万円として計算してみました。

 

※ 金利は、2016年7月のりそな銀行の長期固定金利は1.3%です。団信革命の保険料は元利均等で月々返済額を計算し、そこに+年0.3%を上乗せした場合との差額を掲載しています。

 

アフラックの給与サポート保険は、60歳満期、短期回復給付支援金5万円、長期療養支援給付金15万円での月額保険料です。

 

年齢

アフラック給与サポート保険
(月額保険料)

りそな銀行の団信革命・借入額2,000万円の場合 りそな銀行の団信革命・借入額3,000万円の場合

30歳

男性3,235円
女性3,190円

団信革命に加入しない場合の月々ローン返済額67,120円

 

団信革命に加入した場合の月々返済額69,987

 

差額(保険料):2,867円

団信革命に加入しない場合の月々ローン返済額100,681円

 

団信革命に加入した場合の月々返済額

104,981円

 

差額(保険料):4,300円

40歳

男性3,670円
女性3,530円

50歳

男性4,425円
女性4,080円

※ 変動金利や10年などの固定金利選択型で借入れる場合は、りそな銀行の団信革命の保険料は違ってきますのでご注意ください。

 

30歳男性が住宅ローンを検討し、就業不能状態になってしまったときのリスクを考えた場合の保険

上記の保険料事例では、30歳男性が住宅ローンを借入し、就業不能状態になってしまったときのリスクを考えた場合には、アフラックの給与サポート保険は、MAXで5,340万円の保険金を受け取ることができ、保険料は3,235円です。

 

それに対し、現状の長期固定金利で借り入れるするならば、りそな銀行の団信革命では、住宅ローンが3,000万円であっても保険料が4,300円ですから、りそな銀行のほうが分が悪いといえます。

 

ただしガンなどの疾病では、りそな銀行の団信革命は就職困難状態の継続有無にかかわらず住宅ローンが0円となるためりそな銀行のほうがメリットがあるといえます。

 

女性が住宅ローンを借入れるならば特に最近は乳がんなどが多いので、返済額は多くなりますが三大疾病補償が付いている団体信用生命がオススメです。

 

※ここではりそな銀行の団信革命を取り上げましたが、それ以外の銀行にもこのような団体信用生命保険はありますから手数料、保証料、金利等も含めて検討することが大切です。

 

 

 

まとめ

アフラックの給与サポート保険は、就業不能状態に該当すると月額いくらという形で保険金が銀行口座に振込まれます。就業不能状態については、免責日数60日という条件があります。

 

一方、りそな銀行の団信革命は、就業不能状態ともいえますが、死亡や重度障害、がん、心筋梗塞、脳卒中、あるいは病気やけがによる16の身体障害状態、所定の要介護状態になったときに住宅ローンが「0円」になるものです。

 

自動車事故で骨折して入院し60日以上就業不能状態(身体障害状態にはなっていない)となった場合は、アフラックでは保険金が支払われますが、りそな銀行の団信革命は住宅ローンが0円になるわけではありません。所定の身体障害状態には該当しないからです。

 

ガンと診断確定とされ3か月で仕事に復帰した場合、アフラックでは、短期回復給付金が6回まで支払われますが、そこで終了です。一方、りそな銀行の団信革命は、その時点で住宅ローンが0円になります。こういった違いもあります。

 

アフラックの給与サポート保険は、保険期間が65歳までが限度です。もしも住宅ローン返済期間がそれ以上ある場合は住宅ローンの返済は残ってしまいます。ただしその回避策として、毎月の住宅ローン返済額よりも給与サポート補償額を多くしておけば繰り上げ返済に回せるので65歳までに完済することも考えられます。

 

保険料については、アフラックは性別と被保険者年齢や保険期間、短期回復給付支援金と長期療養支援給付金の設定によりますが、りそな銀行の団信革命は借入金利に0.3%上乗せして計算されます。

 

りそな銀行の団信革命の詳細は公式サイトをご覧ください。

 

以上、「アフラックの給与サポート保険とりそな銀行の団信革命を比較」でした。