育児休業後に働こうと思っていても子どもの病気や自分の体調が思わしくなくそのまま退職というケースもあります。そこで、このページでは、育児休業給付と退職について詳しく解説します。

 

2017/12/12 16:06:12

育児休業給付金と退職との関係について

まず育児休業給付について簡単に説明します。

 

育児休業給付とは、原則、雇用保険に加入している一般の被保険者、および高年齢被保険者(65歳以上の被保険者)が1歳未満の子のために育児休業をとったときに支払われる雇用保険からの給付金をいいます。下の図のパターンです。

 

母親のみ育児休業のパターン

 

ただし原則でないケースもあるんですね。

 

パパママ育休プラス制度を利用した場合は1歳2ヶ月まで、また、保育所に申し込んでいるが1歳になっても保育所に入所できない場合等の延長事由に該当すると2歳(平成29年10月1日から)まで育児休業給付金が支給されるのです。

 

※平成29年10月1日の改正は、子が1歳6か月に達する日の翌日が平成29年10月1日以降となる方が対象となります(=子の誕生日が平成28年3月31日以降の場合に対象となります。)。(ハローワークのリーフレットより抜粋)

 

パパママ・育休プラスについての質問と回答や具体例についてはこちらの育児休業とパパ・ママ育休プラスの質問と具体例をご覧ください。

 

育児休業給付金を受取れる期間は、産後8週間から1歳の誕生日前日まで取得した場合には、育児休業給付金の支給はその前日まで受取ることができます。

 

受給額については、180日目までは育児休業開始前の賃金の67%。181日目からは、休業開始前の賃金の50%。

 

ここでいう賃金とは、育児休業開始前6か月の間に支払われた賃金の総額を180で割った額をいいます。ですからこの時期に普段より残業が多いという場合は、当然収入も多くなるので、その分、育児休業給付金も多くなります。

 

ただしなんぼ賃金が高くなっても青天井で受給できるというわけにはいかず、やはりそこは上限額があります。

 

平成29年7月31日までの賃金月額上限は、424,500円、賃金月額が68,700円を下回る場合は68,700円です。(この金額は毎年8月1日に見直しされます

育児休業給付金の返納について

育児休業給付金を受給中に職場復帰せず、そのまま退職するケースもあります。

 

この場合に返納する必要があるのかと疑問に思う人が多いのですが、すでにもらった育児休業給付金を返納する必要はありません。

 

給付金と退職日の関係

それでは育児休業給付金を受給中に退職した場合にいつまで給付金がもらえるのかについてです。
この点については決まり事がありまして、「退職日の属する期間のひとつ前の支給対象期間まで支給」となっています。

 

つまり育児休業給付金は育児休業を開始した日から1ヶ月ごとの期間(支給単位期間)について支給されるので、退職日の前月の支給対象期間までです。

 

具体的には以下をご覧ください。

 

育児休業給付金と支給単位期間の事例

出産日が5月5日の場合、全体としては、こうです。

 

出産日 産後休暇8週間 育児休業期間 育児休業金給付期間
5月5日 5月6日~6月30日 7月1日~5月4日まで 7月1日~5月3日

 

育児休業期間と育児休業給付について1日ズレがあります。
そして育児休業給付の支給単位期間は、下のように1ヶ月毎の期間になり振込は2ヶ月毎です。

7/1~
7/31

8/1~
8/31

9/1~
9/30

10/1~
10/31

11/1~
11/30

12/1~
12/31

1/1~
1/31

2/1~
2/28

3/1~
3/31

4/1~
4/30

5/1~
5/3

 

このケースで下の日付けで退職した場合を比較してみましょう。

 

  1. 4月29日に退職した場合は、受け取れるのは3月31日分まで
  2. 4月30日に退職した場合は、4月30日分まで
  3. 5月1日に退職した場合は、4月30日分まで

 

②のケースは、雇用保険の資格喪失日は退職の翌日、すなわち5月1日になるので受給できるのは4月30日までとなります。

 

ということで退職日が1日違うだけで受取れる育児休業給付金に大きく差がでますのでご注意ください。

 

 

育児休業給付金の振込日、いつ受取れるの?

最後に育児休業給付金はいつ振込まれるのかということが気になると思いますので解説いたします。

 

この点は、会社からハローワークに申請をしない限り受取ることができません。もちろん本人からでも申請はできますが、雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書や雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書の記載内容が確認できる書類(賃金台帳や出勤簿・タイムカードなど)、他にもたくさん提出する書類があるので、ハローワークは会社からの申請を推奨しています。

 

育児休業給付金のの申請期限

その手続ですが、申請期限があるのでご注意を・・・。
育児休業を開始した日から4ヶ月を経過する月の末日までに必要書類を提出。経過してしまうと支給されなくなってしまいます。

 

これが初回の申請期限。
2回目以降の給付金は原則2ヶ月毎に申請です。

 

ですから会社側で手続きが遅れるとその分ハローワークからの振込も遅れます。ということで育児休業給付金の振込日は会社の手続き次第ですよ。

 

育児休業給付金と退職のまとめ

育児休業給付は、原則は雇用保険に加入している一般の被保険者、および高年齢被保険者(65歳以上)が1歳未満の子のために育児休業をとったときに支払われる給付金をいいます。

 

ただしパパママ育休プラス制度を利用した場合は1歳2ヶ月まで。
また、保育所に申し込んでいるが1歳になっても保育所に入所できない場合等の延長事由に該当すると2歳(平成29年10月1日から)まで育児休業給付金が支給されるのです。

 

育児休業給付金の金額は、180日目までは育児休業開始前の賃金の67%。181日目からは、休業開始前の賃金の50%です。

 

育児休業給付金を受給中に退職した場合ですが、すでに受け取った給付金は返金する必要はありません。

 

そして、退職日と給付金の関係については、「退職日の属する期間の1つ前の支給対象期間まで支給」となっています。退職日が1日違うだけで最大1ヶ月分の給付金に差が出てしまうことがありますのでご注意ください。

 

以上、育児休業給付金と退職についての大事なポイントについての記事でした。
それではまたお会いしましょう。

 

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