失業保険の加入条件と給付の種類について

失業(雇用)保険の被保険者になっていると給料から失業(雇用)保険料が差し引かれます。そのため、要件を満たせば失業手当以外にも手当をもらえることがあります。

では、失業(雇用)保険にはどういう給付種類があるのか、そしてどんな働き方をすると被保険者になるのか、さらに、被保険者になれる人となれない人はどういう人なのかについて解説しています。

 

失業保険とは?

雇用保険について考える

まず、失業(雇用)保険の体系についてご説明します。
以下の図にありますように、失業(雇用)保険は、労働保険の一つです。そして労働保険にもうひとつあるのが労災保険になります。

雇用保険は、雇用保険法を基に厚生労働省が管理、運営し、実務は公共職業安定所(ハローワーク)が担当しています。

労災保険も厚生労働省が管理・運営していますが、担当窓口は、労働基準監督署が担当しています。労災保険についてはこちらのページをご覧ください。

労働保険


さて、失業(雇用)保険といえば「失業手当の給付」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
この手当は、失業(雇用)保険の被保険者となり、雇用保険料を納付しているために受給できるものになります。

その保険料の計算にあたっては料率というものが決められています。

雇用保険の料率:平成28年3月31日までの場合

平成27年4月1日から平成28年3月31日においての雇用保険料率です。

  • 一般事業:労働者5/1000と雇用主8.5/1000、を合わせて13.5/1000
  • 農林水産、清酒製造の事業:労働者6/1000と雇用主9.5/1000、を合わせて15.5/1000
  • 建設の事業:労働者6/1000と雇用主10.5/1000、を合わせて16.5/1000
という率で納付をしています。
雇用保険料の詳細についてはこちらのページをご覧ください

つまり被保険者の負担は、30万円のお給料で1,500円ということになりますので、それ程大きな支出ではありませんし、いざ失業となってしまって失業給付が受給できれば、自己都合退職でも最低90日分の所定給付日数がありますので、支払った以上に受取ることができます。

この失業手当というのは、正式には基本手当といい、実際には以下の図にある、「一般求職者に対する求職者給付」の中のひとつにすぎません。

また、失業(雇用)保険は、失業等給付の給付事業だけでなく、下記の図にありますように雇用保険二事業という事業主側にとっての援助事業として「雇用安定事業」と「能力開発事業」も行っています。

労働保険

失業(雇用)保険の給付にも種類があります

失業保険給付の種類としては、上記の図にありますように、求職者給付・就職促進給付・教育訓練給付・雇用継続給付の4つがあります。なんだか、難しい言葉が並びましたが大枠としてその4つの種類があり、その中にいろいろな手当があるということを覚えておいてほしいです。

まずは、求職者給付からの説明です。

求職者給付とは?

求職者給付といっても専門用語でよくわからないと思います。
みなさんがよくご存知の「失業手当」は正式には基本手当といいますが、この求職者給付の中のひとつです。

失業(雇用)保険の被保険者には、4つの形態がありますので、その形態ごとに給付があります。
被保険者の4つの形態についてはさらに下の説明をご覧ください。

一般求職者に対する求職者給付
高年齢継続被保険者に対する求職者給付
短期雇用特例被保険者に対する求職者給付
日雇労働被保険者に対する求職者給付

就職促進給付

就職促進給付には以下の種類の給付があります。


訓練教育費

教育訓練給付金は2つです。

雇用継続給付

雇用継続給付は3つの給付があります。


失業(雇用)保険の加入条件

失業(雇用)保険の加入条件としては、失業(雇用)保険の適用事業所に雇用されている方で、以下の加入条件に該当する方なら名称や雇用形態にかかわらず、原則として被保険者になります。

常用もパート・アルバイトも派遣等も雇用形態には関係ありません。

加入条件は働く時間や期間も関係してきます

加入条件には、以下のように労働時間と労働日数が関係します。
下の2つを満たしている方は被保険者になります。ただし、該当しない方もいますので、その方については次の項目をご覧ください。

①1週間の所定労働時間が20時間以上ある
②31日以上引き続き雇用されることが見込まれる場合

週20時間未満や30日以内の雇用契約では、被保険者に該当しません。
被保険者に該当する方は、以下のいずれかの形態に該当することになります。

失業保険の被保険者は4つに分かれています

失業保険の被保険者は、4つの形態に分かれています。

一般被保険者

正社員、非正規社員、派遣労働者、アルバイト、パートが該当します。

高年齢継続被保険者

65歳前から雇用され、65歳以降も雇用され離職した方が該当します。

短期雇用特例被保険者

季節的に雇用される者、海の家で働く方、スキー場で働く方、積雪が多い地方の農家の出稼ぎの方や土木作業員の方などが該当します

日雇労働被保険者

日々の雇用契約をされている者、及び30日以内の期間を定めて雇用される者、具体的には、建設現場や港湾運輸、農林水産などの土工、荷扱夫、雑役、人夫さんが該当します。

失業保険の被保険者になれる人となれない人について

加入条件である週20時間以上や31日以上雇用が見込まれるということを満たしていても、そこから外れてしまう立場の人もいます。

そこで、一般的な社員やアルバイトではなく、特別な役職や役員等の方たちで「被保険者になる人」と「被保険者になれない人」を以下に例示してみました。

被保険者になれる人

被保険者になれる人は以下の方々です。

法人の役員

代表者以外の役員であって同時に会社の部長、支店長、工場長等従業員としての身分を有する者(雇用関係ありと認められるものに限り被保険者となる

各種団体の役員

同上

同居の親族

同居の親族であっても、他の労働者と同様に雇用関係が認められる者に限り被保険者となる

季節的労働者

季節労働者であっても当初から4ヶ月以上の雇用契約をする場合被保険者となります

昼間学生

休学中、卒業見込証明書を有する者は被保険者となります(定時制課程に在学する者も被保険者となります)

外務員(外交員)等

事業主の支配拘束を受けているもの、職務の内容、服務の態様、賃金の算出方法から判断する

家事使用人

事業主に雇用され、主として家事以外の労働をする者が、例外的に家事に使用されても被保険者となります

国外事業所に雇用されるもの

出張・派遣・出向で国外に就労する場合であっても雇用関係が継続している間は被保険者となります

複数の事業主に雇用されるもの

主たる賃金を受けている事業主のもとで被保険者となります

65歳以上の高年齢者

65歳以前から引き続き雇用されている者

日雇労働者

すべてが被保険者となります

在日外国人

原則、被保険者となります。ただし外国公務員や外国の失業保険制度加入者は除きます

被保険者になれない人

被保険者になれない人は以下の方々です。

法人の代表者・役員

株式会社、有限会社の代表取締役、会社の取締役、監査役などの役員、外国会社の日本における代表者、合名会社の社員、合資会社の無限責任社員、合同会社の代表社員

各種団体の役員

協同組合、農業協同組合などの役員、社団・財団法人の役員その他各種団体の役員

同居の親族

個人事業の事業主及び法人であっても、実質的には代表者の個人事業と認められる事業の代表者と同居している親族は原則被保険者となりません

季節的労働者

4ヶ月以内の期間を定めて雇用される者、1週間の所定労働時間が30時間未満である者

昼間学生

学校の生徒で昼間学生

外務員(外交員)等

事業主と委任関係にある各種外務員

失業保険の加入条件のまとめ

失業(雇用)保険は、雇用保険法を基に厚生労働省が管理、運営し、実務は公共職業安定所(ハローワーク)が担当しています。
そして、失業等給付の給付事業だけでなく、下記の図にありますように雇用保険二事業という事業主側にとっての援助事業として「雇用安定事業」と「能力開発事業」も行っています。


給付の大枠体系としては、求職者給付・就職促進給付・教育訓練給付・雇用継続給付の4つがあり、それぞれにいろいろな給付があります。

失業(雇用)保険の加入条件としては、失業(雇用)保険の適用事業所に雇用されている方で、下の2つに該当すれば、常用もパート・アルバイトも派遣等も雇用形態には関係なく被保険者になります。

①1週間の所定労働時間が20時間以上ある
②31日以上引き続き雇用されることが見込まれる場合

ただし、加入条件である週20時間以上や31日以上雇用が見込まれるということを満たしていても、法人の代表者・役員、各種団体の役員、昼間学生、外務員(外交員)等で雇用関係や仕事内容によっては被保険者から外れてしまう立場の人もいます。


次のページは、失業保険の手続きはどうすればいいの?
その次は、雇用保険とはなに?社会人1年生のための基礎講座です。
さらに次の次は、失業(雇用)保険料の計算と端数処理です。

 

 

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