雇用保険の仕組み。被保険者の資格や手当計算

「雇用保険とは?」どんな保険だったか忘れてしまった方、この保険について知っておきたい方、説明を受けたけど忘れてしまった方のためのページです。雇用保険の全体像がわかるようになります。

 

雇用保険とは?

雇用保険とはどういう保険なのでしょうか。

 

雇用保険とは、雇用保険加入者(被保険者)が失業したときに「失業手当等の給付」をし最低限の生活を守りつつ、必要のある方には職業訓練などの受講をしてもらい、再就職がスムーズに果たすことできるよう国が制定した保険制度をいいます。

 

そのためには財源が必要になりますが、国からの負担金と被保険者や事業主から集めた保険料で賄われています。

 

※ 失業等給付事業(各種給付金)は国庫負担がありますが、雇用安定事業と能力開発事業(公的職業訓練)という雇用保険2事業には国庫負担はありません。

 

雇用保険と失業保険は違うのですか?

失業保険という保険は昭和49年に廃止され、雇用保険になっています。ですが、失業保険=雇用保険として使っている方もいます。

 

雇用保険の管轄はどこですか?

雇用保険の管轄は、厚生労働省になりますが、実務は、公共職業安定所=ハローワークになります。

 

雇用保険といえばハローワーク

雇用保険の実務を担っているのはハローワークです。
ですから、失業して失業手当を受け取りながら再就職先を見つけたいならば「ハローワーク」に行って手続をすることになります。

 

ということで、ハローワークについて簡単にご紹介します。

 

ハローワークとは

ハローワークの正式名称は、公共職業安定所と言います。

 

平成26年6月現在、全国に本所や出張所、分室も含めると544ヶ所あり、職員数 11,140人、相談員数 16,737人の組織で運営されています。

 

ハローワークインターネットサービス

 

〈ハローワーク関連ページ〉
ハローワークはどこにあるの?東京、埼玉県、千葉県、神奈川県の所在地

 

雇用保険が行っている事業

先ほども少し触れましたが、雇用保険が行っている事業についてご紹介します。

 

雇用保険は、3つの事業を行っています。3つの事業とは、失業等給付、雇用安定事業、能力開発事業です。

 

失業等給付には、失業状態になり条件にあえば受け取れるのが失業手当(基本手当)があります。他にも下記に記載したようにたくさんの給付が用意されています。

 

雇用安定事業は、主に事業主に対しての助成金事業です。能力開発事業は、在職者や離職者に対する訓練事業をいいます。詳細については、雇用保険は事業主に対して助成金も行っているをご覧ください。

 

(雇用保険事業)
第三条  雇用保険は、第一条の目的を達成するため、失業等給付を行うほか、雇用安定事業及び能力開発事業を行うことができる。

 

雇用保険は積立をしている

雇用保険制度では、数年にわたって不況となり、失業者が増加したまま推移したことを考慮し、失業等給付費に充てるために必要な金額を積立金として積み立てています。(特別会計に関する法律第103条第3項の規定)

 

ただしこの積立金も下記の記事にあるように平成25年度決算では、過去最高の6兆円あり、27年度予算案でも58,467億円となっています。

 

雇用保険の積立金 過去最高の6兆円に達し使い切れない状況に(NEWS ポストセブン)

 

※ 政府はこのような残高は過剰と判断し、雇用保険料率の引き下げが可能とみて、平成28年4月1日から引き下げました。

 

雇用保険の被保険者には種類がある

雇用保険の被保険者は、通常は一般被保険者になりますが、以下のような種類があります。

 

  • 一般被保険者
  • 短期雇用特例被保険者
  • 高年齢被保険者(平成28年12月31日までは高年齢継続被保険者)
  • 日雇労働被保険者

 

以下、簡単な説明です。

 

〇短期雇用特例被保険者:季節的に雇用され、又は短期の雇用につくことを常態とする方。
〇高年齢被保険者:65歳前から働き65歳以降も被保険者となっている方、または65歳以降新たに被保険者となった方。
〇日雇労働被保険者:日々雇用される方、または30日以内の期間を定めて雇用される方で、一定の要件に該当する被保険者です。

 

上記以外の被保険者は、一般被保険者になります。

 

雇用保険の被保険者となるための手続き

雇用保険の被保険者となるには加入手続きが必要となりますが、手続は事業主が行います。

 

雇用保険にはアルバイトも加入させなくてはいけない

31日以上引き続き雇用されることが見込まれる者で1週間の所定労働時間が20時間以上ある者となっています。31日以上の雇用の概念としては、厚生労働省では以下のように取扱いしています。

 

○期間の定めがなく雇用される場合
○雇用期間が31日以上である場合
○雇用契約に更新規定があり、31日未満での雇止めの明示がない場合
○雇用契約に更新規定はないが同様の雇用契約により雇用された労働者が31日以上雇用された実績がある場合(注)
[(注)当初の雇入時には31日以上雇用されることが見込まれない場合であってもその後、31日以上雇用されることが見込まれることとなった場合には、その時点から雇用保険が適用されます。]

 

以上のように雇用保険加入はこのように義務付けされていますので職種や雇用形態がアルバイト、パート、派遣社員、契約社員だからといって関係ありません。

 

雇用保険被保険者証が交付されます

雇用保険の被保険者になると雇用保険被保険者証がハローワークから交付されます。紛失してしまった方は、雇用保険被保険者証を亡くした場合の再発行手続きをご覧ください。

 

雇用保険被保険者証

 

雇用保険被保険者番号とは

雇用保険被保険者証には、被保険者番号が記載されています。この番号は、被保険者1人ひとりに割り当てられ、転職したとしても同じ番号を使うのが原則です。番号は、5桁-6桁-1桁の、合計11桁の数字となっています。

 

なぜ同じ番号を使うのかというと、失業手当をもらうには最低限加入していなければならない被保険者期間もありますし、被保険者期間の年数によっても受け取れる日数も違ってきてしまうからです。またハローワークとしては、履歴や職業訓練の受講歴などを把握しておく必要があるからです。

 

転職した場合には、転職先で雇用保険被保険者証の提示を求められるか、被保険者番号を尋ねられますので、雇用保険被保険者証は大事に保管しておく必要があります。退職まで会社で保管しておく場合もあります。もしも被保険者番号がわかならいときはハローワークに行って尋ねれば検索・照合してくれます。

 

結婚などして姓が変わり被保険者番号を2重登録している場合は、ハローワークに 雇用保険被保険者証の統一届(PDF形式)※を出して統一してもらいましょう。

 

雇用保険から受取った手当は確定申告が必要なのか

 

雇用保険から受け取った失業手当の税金について説明します。

 

雇用保険からの失業給付等は、課税対象になりません。そのため確定申告の必要もありません。
ただし、年度の途中で退職し、再就職をしていないため年末調整をされていない方は確定申告をすることにより源泉で引かれていた所得税が過払いとなっていた場合には還付を受けることができます。それにより翌年の住民税の軽減にもなります。

 

公務員は雇用保険に加入できるのか

公務員も雇用保険に加入できるのですか?

公務員は雇用保険には加入できません。
雇用保険法第6条にあるように公務員は退職手当が支給されるので適用除外になっているからです。

 

また、雇用保険は事業主負担が生じます。この場合の事業主は国家公務員であれば国、地方公務員であれば県や区市長村になります。

 

もしも保険料負担をする場合には国民や市民の税金となりますが、退職金も税金の負担によるもので、二重負担となります。これらのことから公務員は、雇用保険には加入できません。給料からも雇用保険料は差し引かれてはいません。

 

雇用保険法
(適用除外)
第六条  次に掲げる者については、この法律は、適用しない。
七  国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業に雇用される者のうち、離職した場合に、他の法令、条例、規則等に基づいて支給を受けるべき諸給与の内容が、求職者給付及び就職促進給付の内容を超えると認められる者であつて、厚生労働省令で定めるもの

 

雇用保険料を決めるための料率

雇用保険料は雇用保険料率で決まりますのでその料率をご紹介します。

 

雇用保険の保険料は、以下のような料率で計算され給料から差し引かれています。
以下は、平成28年4月1日から平成29年3月31日までの雇用保険料率です。

 

平成28年度の雇用保険料率
前年と比べると労働者負担・事業主負担とも1/1000ずつ引き下げられています。

 

雇用保険料の負担と損得

保険は相互扶助が目的ですから個人的な損得計算は邪道かとは思いますが、一度でも離職をして失業保険から受け取れる場合の損得を計算してみました。

 

※ 下記は失業保険から満額を受け取った場合の計算をしています。途中で再就職した場合には、計算が違ってきますが、ケースによっては、就業促進手当などが受取れる場合があります。

 

雇用保険の従業員負担率はが0.4%(平成28年度の雇用保険料率)です。ざっと年収が500万円ならば雇用保険料は年間20,000円です。

 

10年間給料が同じで雇用保険料率も同じだとすれば、負担する雇用保険料は累計で20,000円×10年=200,000円です。30年で600,000円です。

 

もしも10年以上で自己都合で離職し、失業保険から手当をもらうとなると、被保険者期間が10年以上20年未満では120日間受取ることができます。離職前6ヶ月間の賃金総額が2,000,000円(賞与、祝金は除く)ならば受取れる金額は、合計で697,680円になります。30年では150日ありますから872,100円になります。いずれも損はありません。

 

10年未満だったら

上記のケースで被保険者期間が9年11ヵ月で自己都合で離職したら受取れる日数は、90日間です。総額は523,260円となってしまいますから被保険者期間の節目には注意が必要です。

 

極端なケース

極端なケースで試算してみました。高い給料をもらっていた場合は、雇用保険料の支払いは当然多くなります。もしも20年間の平均年収が1,200万円で、現状の料率だとすれば雇用保険料負担は20年間で96万円です。

 

この時点で給料が大きく下がり、離職前6ヶ月間の賃金総額が4,000,000円(賞与、祝金は除く)となって自己都合で離職したような場合。このようなケースでも被保険者期間が20年以上あれば給付日数は150日ありますから受取れる失業手当は総額で1,171,500円ですから損はありません。

 

ですが、被保険者期間が20年に満たず19年11カ月で自己都合で離職してしまったならば、受給日数は120日となり、総額でも937,200円ですから負担した保険料よりは少なくなってしまいます。

 

失業手当の計算は、離職前6ヶ月間の賃金総額がもとになりますから、給料が上がって離職するのと、下がって離職するのでは、受給額は大きく違ってきます。失業手当の計算については下記で詳しく解説しています。

 

次に、雇用保険のすべての手当をご紹介します。

 

雇用保険の失業等給付

雇用保険には、失業手当や育児休業の給付が一般的に知られているところですが、その他にも以下のような手当があります。(平成28年4月時点での内容)

 

給付名

簡単な説明

1、基本給付 基本給付とは失業手当のこと。受取れる額は離職前の給料月額のおよそ50~80%です。給料の高かった人ほど給付率は下がります。そして上限があります。
2、受講手当 受講手当とは公共職業訓練等を受けた日の手当です。日額500円、上限額は20,000円。
3、通所手当 通所手当とは公共職業訓練施設に通うために公共交通機関や自動車を利用した場合に支払われる手当です。月額最高42,500円。
4、寄宿手当 寄宿手当とは公共職業訓練を受けるために家族と別居して寄宿した場合に支払われる手当です。月額10,700円。
5、傷病手当 傷病手当とは会社をやめて、ハローワークにて求職申込み手続き後に15日以上傷病で職業につくことができない場合に支払われる手当です。手当額は基本給付と同額になります。
6、高年齢求職者給付金 高年齢求職者給付金とは高年齢継続被保険者()に支給されます。基本手当日額の30日分又は50日分に相当する額
7、特例一時金 特例一時金とは季節的に雇用されている者等である短期雇用特例被保険者に支払われる手当です。一般被保険者とみなして計算した基本手当の日額の30日分(ただし、当分の間は暫定措置で40日分)。
8、日雇労働者給付金 日雇労働者給付金とは日雇労働被保険者が失業した場合に支払われる手当です。給付金の日額は直前2か月の手帳に貼付された雇用保険印紙の枚数等により定められています。
9、再就職手当 再就職手当とは失業手当をもらっている人が失業手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給されます。支給額は、所定給付日数の支給残日数×給付率×基本手当日額(上限あり)となります。
10、就業促進定着手当 就業促進定着手当とは再就職手当をもらった人が、再就職先に6か月以上雇用され、なおかつ再就職先で6か月の間に支払われた賃金の1日分の額が先の離職前の賃金の1日分の額(賃金日額)に比べて低下している場合に支給されます。 上限額=基本手当日額×基本手当の支給残日数に相当する日数×40%
11、就業手当 就業手当とはパートやアルバイト等で就業した場合で基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上ある場合に支給されます。支給額は、就業日×30%×基本手当日額(上限あり)となります。※1日当たりの支給額の上限は、1,749円。(毎年見直し)
12、常用就職支度手当 常用就職支度手当とは障害のある方など就職が困難な方が就職した場合に基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1未満であり、一定の要件に該当する場合に支給されます。支給額は、90日×40%×基本手当日額。支給残日数が90日未満である場合には、支給残日数に相当する日数
13、移転費 移転費とはハローワークで紹介した就職先につく、あるいは公共職業訓練を受ける場合で住所又は居所を変更する必要がある場合に支給される手当。移転費には、鉄道賃、船賃、航空賃、車賃、移転料、着後手当の6種類あります。
14、広域求職活動費 広域求職活動費とはハローワークの紹介により広範囲の地域にわたる求職活動をする場合支払われるものです。交通費及び宿泊料が支給されます。
15、一般教育訓練給付金 一般教育訓練給付金とは一定の要件を満たす雇用保険の一般被保険者(在職者)又は一般被保険者であった方(離職者)が厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し修了した場合に支給されます。支給額は教育訓練経費の20%に相当する額。ただし、その額が10万円を超える場合は10万円とし、4千円を超えない場合は支給されません。
16、専門実践教育訓練給付金 専門実践教育訓練給付金とは一定の要件を満たす雇用保険の被保険者が厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し修了した場合に支給されます。支給額は、教育訓練施設に支払った教育訓練経費の40%に相当する額。年間32万円が限度。
17、高年齢雇用継続基本給付金 高年齢雇用継続基本給付金とは失業手当を受給していない方を対象としています。60歳以上65歳未満の一般被保険者が、60歳以降の賃金が60歳時点に比べて、75%未満に低下した状態で働き続ける場合に支給されます。
18、高年齢再就職給付金 高年齢再就職給付金とは?高年齢雇用継続基本給付金と基本手当を受給し、60歳以後再就職した場合に支払われる手当です。
19、育児休業給付 育児休業給付とは育児休業期間中に支給される手当です。手当額は、休業開始時賃金日額×支給日数の67%(育児休業の開始から6か月経過後は50%)相当額
20、介護休業給付金 家族を介護するために休業をした場合に給付される手当です。給付額は休業開始時賃金日額×支給日数×40%です。

※ 高年齢継続被保険者とは65歳に達する日以前に雇用されていた事業主に65歳に達した日以降の日においても引き続いて雇用されている者をいいます。短期雇用特例被保険者や日雇労働被保険者は除きます。

雇用保険の受給資格についても知っておこう

雇用保険に被保険者として加入していた人が会社を退職し失業した。だからといって、受給資格があるわけではありません。

 

受給資格は、雇用保険の被保険者であることが絶対条件ですが、その他に加入期間や健康上の問題等があるからです。

 

雇用保険から手当をもらうための被保険者期間

先ほども説明しましたが、自己都合の離職で失業手当をもらうためには被保険者としての加入期間が決められています。

 

この期間は、「会社をやめる日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上ある必要」とされています。

 

被保険者期間とは、雇用保険の被保険者であった期間のうち、離職日から1か月ごとに区切っていた期間に賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を1か月と計算します。

 

ただし、特定受給資格者又は特定理由離職者については、やめた日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でもOKです。

 

特定受給資格者とは、倒産や解雇によりやめた人をいいます。特定理由離職者とは、体力の不足、心身の障害、疾病、負傷等で会社をやめた人や結婚に伴う住所の変更により通勤不可能又は困難となった人等をいいます。詳しくはこちらの「倒産と会社都合で退職したときの失業保険、特定受給資格者について解説」をご覧ください。

 

健康上の問題とは?

失業手当をもらう要件には雇用保険の被保険者期間だけではなく、健康上や労働に対しての意志の問題もあります。

 

健康上の問題とは、病気やけがのため、あるいは妊娠・出産・育児のため、「すぐには就職できない」場合をいいます。

 

労働に対しての意志とは、定年や結婚等により退職し、しばらく働く意志がないことをいます。これらに該当する方は、就職できる状態にないのと、就職しようとする意志もないため失業手当をもらうことができません。

失業手当の計算はどうやるのか

雇用保険の仕組み

失業手当をいくらもらえるのかについては、以下に示した要件で違ってきます。

 

  • 退職理由
  • 被保険者期間
  • 離職前6ヶ月間にもらっていた給料・賃金(ボーナスは除く)

 

退職理由とは?

自己都合で退職(離職)したのか会社都合なのかによって失業手当をもらいだせる時期と受取れる日数が違ってきます。退職理由については会社都合と自己都合がありますが、自己都合と思ってもそうではないケース(特定理由離職者)もありますので詳しくはこちらの倒産と会社都合で退職したときの失業保険、特定受給資格者について解説をご覧ください。

 

「自己都合」で退職した場合
自己都合で退職した場合には、ざっと言って、4ヶ月間は失業手当の給付はありません。具体的には、ハローワークで求職申込した日より7日間の待期期間と8日目以降から3ヶ月間の給付制限期間が設定され、その後に振込まれるからです。

 

たとえば、ハローワークに2016年4月5日に求職申込に行った場合には、初回分の目安として7月12日分から初回認定日の7月25日分まで14日間分の失業手当が支給され、8月2日頃に銀行口座に振込みになります。

 

※ 振込み日は、祝祭日、年末年始等により1週間前後する場合があります。

 

もらえる日数については、下表のように雇用保険にどのくらい加入してきたかによって違ってきます。

 

区分

被保険者になっていた期間

1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
全年齢 90日 90日 120日 150日

 

会社倒産、解雇などの「会社都合」で退職

  • 会社倒産、解雇などによる理由での退職
  • 期間の定めのある労働契約の期間が満了し、更新を希望したにもかかわらず更新されず離職した方(特定理由離職者)
  • 体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等により離職した方(特定理由離職者)

 

これらに該当する方は、7日間の待期期間はありますが、給付制限期間がないため1ヶ月後にはもらうことができます。

 

たとえば、ハローワークに4月5日に求職申込に行った場合には、初回分の目安として4月12日分から初回認定日の5月2日分まで21日間分の失業手当が支給され、5月10日頃に銀行口座に振込みになります。※ 振込み日は、祝祭日、年末年始等により1週間前後する場合があります。

 

もらえる日数については、年齢と雇用保険にどのくらい加入してきたかによって違ってきます。

 

区分

被保険者になっていた期間

1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
30歳未満 90日 90日 120日 180日
30歳以上35歳未満 90日 90日 180日 210日 240日
35歳以上45歳未満 90日 90日 180日 240日 270日
45歳以上60歳未満 90日 180日 240日 270日 330日
60歳以上65歳未満 90日 150日 180日 210日 240日

 

失業手当(基本手当)の計算

失業手当(基本手当)としてもらえる金額は、「基本手当日額×所定給付日数」で計算されます。
基本手当日額とは、1日あたり受取れる失業保険手当の金額をいいます。
この基本手当日額は、原則として離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金の合計を180で割って算出した金額(これを「賃金日額」といいます。)の最高でも80%以内となっています。

 

基本手当日額=離職前6カ月間の給料総額÷180 × 給付率(45~80%)  (上限・下限あり)

 

《給付率の違いについて》
失業手当の給付率は、賃金の低い人ほど高い支給率となっていて、賃金の高い人ほど支給率は低くなっています。さらに上限額も定めれていますから高級取りの人は賃金日額の半分以下になってしまいます。

 

以下は、平成27年8月1日から平成28年7月31日まで適用される上限額です。

 

年齢区分 基本手当日額の上限額
30歳未満 6,395円
30歳以上45歳未満 7,105円
45歳以上60歳未満 7,810円
60歳以上65歳未満 6,714円

 

こちらの関連ページは、必ず知っておきたい失業保険の計算と給付日数について

 

失業手当を受取るための手続き

先ほども紹介したように自己都合による離職ならば会社をやめる日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上あれば失業手当を受取ることができます。

 

この条件を満たし就職意欲もあればハローワークに行きますが、その際に必要な書類等があります。

 

・雇用保険被保険者「離職票-1」
・雇用保険被保険者「離職票-2」
・マイナンバー確認資料(マイナンバーカード、マイナンバー通知カード、マイナンバーが記載された住民票等)
・雇用保険被保険者証
・証明写真2枚(縦3cm×横2.5cm、3ヵ月以内に撮影)
・写真付きの本人確認書類(運転免許証や住基カード等)
・本人名義の通帳(郵便局の通帳も可)
・通帳の届出印

 

詳しいことはこちらの失業保険のもらい方。必要書類や手続きについて解説していますもご覧ください。

 

《離職票を紛失した場合》
雇用保険被保険者離職票-1や雇用保険被保険者離職票-2を紛失してしまったら再発行してもらえます。また、雇用保険被保険者証も紛失した場合も再発行してもらえます。詳細は下記の記事をご覧ください。

 

 

これらの書類を持って、住所を管轄するハローワークに行き、求職の申込み」を行ったのち、「雇用保険被保険者離職票(-1、2)」を提出します。認定されれば失業給付を受けることができます。ただし、原則として失業手当は「離職した日の翌日から1年間」が受給期間(有効期限)となっていますので、なるべく早く手続きは行いましょう。


まとめ

雇用保険の主な目的は、失業等の給付です。失業等給付には、20種類の手当があり、中でも一番身近なものが失業手当になります。

 

失業手当がもらえる要件として、自己都合の場合は、会社をやめる日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上ある必要があります。特定受給資格者又は特定理由離職者については、やめた日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上必要となっています。

 

ただし、病気やけがのため、あるいは妊娠・出産・育児のためにすぐには就職できない場合は給付されません。失業手当の計算は、会社を離職した理由、年齢、被保険者期間、過去6か月間の賃金総額等が関係してきます。

 

以上、「雇用保険とは」の記事でした。

 

次のページ
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その次のページ
失業保険の手続きはどうすればいいの?

 

 

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初回失業手当は30日分というわけでもありません。いつから、そしていったいいくらもらえるのかについて事例をあげて解説したページです。
寄宿手当とは
寄宿手当の概要、手当額、手続き等について
日雇労働求職者給付金とは
日雇労働求職者給付金について
教育訓練給付制度のポイント
教育訓練給付制度とはどのような制度で誰が利用できるのか、給付金の金額などについてご紹介しています。
専門実践教育訓練給付金とは?
専門実践教育訓練給付金と教育支援給付金について
失業保険の受給条件
失業保険の受給条件についてはどういったものがあるのかについて取りあげた記事です。
失業保険給付の種類
失業保険からもらえる手当にはどのような種類のものがるのかについて取り上げています。
失業保険の傷病手当とは
失業保険の傷病手当金について解説
雇用保険の特例一時金とは?
季節的に雇用される者に給付される特例一時金について解説
介護休業給付金の支給要件
介護休業給付金についてのポイントを解説
離職票の再発行手続き
離職票の再発行と手続き。それと離職証明書とのい違いについて。離職証明書のダウンロードはできるのかについても解説しています。
雇用保険被保険者証の再発行手続き
雇用保険被保険者証の再発行手続きについて解説
教育訓練給付制度の条件
教育訓練給付制度の条件や受け取れる金額には限度がある点、専門教育から支給される金額の上限などについてわかりやすく解説しています。
トライアル雇用とは?
トライアル雇用やトライアル雇用奨励金、メリットやデメリットについてのポータルページです。
失業手当と扶養
失業保険をもらった場合の扶養は外れるのか。税金、健康保険、年金との関係について解説しています。
離職証明書と離職票
離職証明書と離職票はどういうものなのか。またどう違うのかについて解説しています
失業認定日の変更
失業認定日にハローワークに行けない理由で認められているものについて紹介
再就職手当の条件
再就職手当の条件は、所定給付日数の3分の1以上残っている必要があります。さらに3分の2以上あると給付率が違ってきます。これらの計算方法についてご紹介しています。
65歳以上の方の雇用保険
雇用保険法が改正され、平成29年1月1日から65歳以上も高年齢被保険者の対象になりました