専門実践教育訓練給付金とは?教育支援給付金とは?

専門実践教育訓練給付金の概要や一般教育訓練制度との比較、また教育支援給付金等について解説しています。

 

専門実践教育訓練給付金とは

厚生労働大臣が指定した講座を受講し、支払った教育訓練経費のうち、40%を支給(年間上限32万円)するというのが専門実践教育訓練給付金です。

 

そしてさらに、受講修了日から一年以内に資格取得等をして、被保険者として雇用された又は雇用されている等の場合には20%を追加支給(合計60%、年間上限48万円)されます。

 

教育訓練給付制度は、平成26年10月1日から「教育訓練給付金」が拡充され、「専門実践教育訓練給付金」と「一般教育訓練」の2種類になっています。
また、平成31年3月31日までの時限措置として、45歳未満など一定の要件を満たしている方が訓練期間中に失業状態にある場合に受給できる「教育訓練支援給付金」という給付金が追加されています。

 

では、はじめに支給対象者に該当する方を見てみましょう。

 

専門実践教育訓練給付の支給対象者について

専門実践教育訓練の教育訓練給付金の支給対象者(受給資格者)は、次の①または②に該当し、厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練を修了する見込みで受講している方と修了した方になります。

 

① 雇用保険の一般被保険者
こちらは、在職者の方をいいます。
専門実践教育訓練の受講開始日に雇用保険の一般被保険者のうち、支給要件期間が10年以上(当面の間、初めて教育訓練給付の支給を受けようとする方については支給要件期間が2年以上あれば可)ある方。

 

支給要件期間とは、受講開始日までに被保険者として雇用された期間をいいます。転職などした場合で前職と新しい職場での間が1年以内の場合は期間を通算することができます。

 

② 雇用保険の一般被保険者であった方
こちらは失業者の方をいいます。
受講開始日に一般被保険者でない方のうち、一般被保険者資格を喪失した離職日の翌日以降、受講開始日までが1年以内であり、かつ支給要件期間が10年以上(当面の間、初めて教育訓練給付の支給を受けようとする方については支給要件期間が2年以上あれば可)ある方。

 

つまり、①または②に該当する方で、下記に示した厚生労働大臣の指定する専門実践教育訓練を受講し修了した場合に本人が教育訓練施設に支払った教育訓練経費の一定の割合額をハローワークから支給されることになります。ただし上限額はあります。

 

注意点
※一般被保険者の方は、65歳の誕生日の前日に一般被保険者でなくなります。その後は高年齢継続被保険者として資格に切り替わりますので受講開始日が66歳の誕生日の前日以降にある場合は支給対象になりません(適用対象期間の延長が行われた場合を除く)。

 

※過去に教育訓練給付金を受給したことがある方は、その時の受講開始日より前の期間は被保険者期間に通算されませんのでご注意ください。

 

次に厚生労働大臣が指定した講座はどのようなものがあるのか見てみましょう。

専門実践教育の対象となる講座

専門実践教育の対象となる講座は、下記の1~5のうち資格試験の受験率及び合格率、就職・在職率などの指定基準を満たすものとして、厚生労働大臣が指定した講座(専門実践教育訓練)が対象になります。①から⑤の全指定講座数は、2,243講座(平成28年8月時点)となっています。

 

1.業務独占資格・名称独占資格の取得を訓練目標とする養成施設コース

 

業務独占資格

  • 助産師
  • 看護師
  • 准看護師
  • 診療放射線技師
  • 臨床検査技師
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 視能訓練士
  • 言語聴覚士
  • 臨床工学技士
  • 義肢装具士
  • 救急救命士
  • 歯科衛生士
  • 歯科技工士
  • あん摩マッサージ指圧師
  • はり師・きゅう師
  • 柔道整復師
  • 美容師
  • 理容師
  • 測量士
  • 電気工事士
  • 建築士
  • 海技士
  • 水先人
  • 航空機操縦士
  • 航空整備士

 

名称独占資格

  • 保健師
  • 調理師
  • 栄養士
  • 介護福祉士
  • 社会福祉士
  • 精神保健福祉士
  • 保育士
  • 製菓衛生師

 

詳しくは、こちらの厚生労働省の講座検索サイトでご確認いただけます。

 

2.専門学校の職業実践専門コース(訓練期間は2年)

専修学校の専門課程のうち、企業などとの連携により、最新の実務知識などを身に付けられるよう教育課程を編成したものとして文部科学大臣が認定したものをいいます。

 

【例】
日本工学院の職業実践専門課程(文部科学省認定)
日本福祉教育専門学校の職業実践専門課程(文部科学省認定)
アーツカレッジヨコハマの「ゲームクリエイター学科」「デザイン学科」「情報処理学科」

 

3.専門職大学院コース(訓練期間は2年または3年以内)

高度専門職業人の養成を目的とした課程

 

【例】
ビジネス・ブレークスルー大学院「経営学研究科 経営管理専攻」
千葉商科大学の会計プロフェッションコース」「税務プロフェッションコース」「ファイナンスプロフェッションコース」
筑波大学大学院ビジネス科学研究科

 

4.大学等における職業実践力育成プログラム[訓練期間:正規課程の場合1年以上2年以内、特別な課程の場合時間が120時間以上、かつ期間が2年以内]

大学等における正規の課程または特別な課程のうち、文部科学大臣が職業実践力育成プログラムとして認定したものであって、かつ、中長期的なキャリア形成に資するものとして職業能力開発局長が定める基準に該当するものです。

 

働きながら仕事に必要な能力を向上させたい、再就職に当たって学び直ししたい、従業員の能力を向上させたい方のための制度です。

 

平成27年度の「職業実践力育成プログラム(BP)」認定課程一覧はPDFをご覧ください。

 

5.一定レベル以上の情報通信技術に関する資格取得を目標とした課程[訓練時間が120時間以上かつ訓練期間が2年以内]

情報通信技術に関する資格(要求された業務を独力で遂行できる応用的なレベルの知識及び技能が習得されていることを確認可能なものに限る。)の取得を訓練目標とする課程。

 

以下の4講座になります。

  • マイクロソフト認定技術者
  • シスコ技術者認定
  • オラクルマスター
  • オラクルJava認定

 

 

一般教育訓練制度と専門実践教育訓練の手当の違い

 

一般教育訓練(現行の教育訓練)

専門実践教育訓練

支給額(受講者が支払った訓練経費×右欄の割合) 20% 40%(※受講修了日から1年以内に資格取得等し、かつ、被保険者として雇用された又は雇用されている場合等には20%を追加支給)
支給額の上限 10万円 32万円/年(受講期間中)
支給期間 最長1年 原則2年(資格につながる場合は最長3年)


※ 上記条件に該当した場合、専門実践教育訓練の修了後には支給される訓練給付金40%に20%が追加して支給され合計で60%の支給となりますが、訓練期間が3年の場合は最高144万円が限度、2年の場合は、96万円限度、1年の場合は48万円が限度になります。

専門実践教育訓練給付金の申請手続き

専門実践教育訓練給付の申請には以下の手続きが必要になります。

 

受講前の申請時期と提出書類をご覧ください

 

ハローワークに対して以下の書類提出を受講開始日の1か月前までに行う必要があります。
支給を受けるための支給申請は、別途手続きが必要になります。

 

①ハローワーク等で配布される教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票
②ジョブ・カード(訓練前キャリア・コンサルティングでの発行から1年以内のもの)または専門実践教育訓練の受講に関する事業主の証明書。証明書の様式はハローワークで配布しています。
③運転免許証または住民基本台帳カード(写真付き)
これらをお持ちでない方は、次の(1)~(3)のうち、異なる2種が必要になります。(コピー不可)。
(1)旅券(パスポート)
(2)住民票記載事項証明書(または住民票の写し・印鑑証明書)
(3)国民健康保険証(健康保険被保険者証)
郵送の場合は事故防止のため(2)と民生委員の証明、公共料金の領収書のいずれか。
④雇用保険被保険者証(雇用保険受給資格者証でも可・コピーでも可)
⑤教育訓練給付適用対象期間延長通知書 (適用対象期間の延長をしていた場合に必要)
⑥写真2枚(最近の写真、正面上半身、縦3.0㎝×横2.5㎝)
⑦払渡希望金融機関の通帳またはキャッシュカード
郵送の場合は、金融機関名、支店名、口座番号、申請者氏名がわかる面のコピー。雇用保険の基本手当受給資格者等で、すでに「払渡先希望金融機関指定届」を届けている方は、届け出の必要はありません。
⑧郵送による申請(やむを得ない理由があると認められた場合に限る)の場合は、証明書などの添付書類

支給のための申請と提出書類について

専門実践教育訓練を受講中は、受講開始日から6か月ごとの期間(支給単位期間)の末日の翌日から起算して1か月以内。
専門実践教育訓練を受講修了したときは、受講修了日の翌日から起算して1か月以内が支給申請をハローワークに行う必要があります。

 

①受講開始前の手続き後にハローワークから交付される教育訓練給付金の受給資格者証
②教育訓練給付金支給申請書
③受講証明書または専門実践教育訓練修了証明書:指定教育訓練実施者が、その施設の修了認定基準に基づいて、受講者の教育訓練修了の見込みまたは修了を認定した場合に発行されます。
④領収書
指定教育訓練実施者が、受講者本人が支払った教育訓練経費について発行します。なお、クレジットカードなどによる支払いの場合は、クレジット契約証明書(または必要事項が付記されたクレジット伝票)が発行されます。受領した場合は、支給申請時に添付できるよう、保管が必要になります。
⑤返還金明細書
「領収書」「クレジット契約証明書」が発行された後で教育訓練経費の一部が指定教育訓練実施者から本人に対して還付された(される)場合に、指定教育訓練実施者が発行します。
⑥郵送による申請(やむを得ない理由があると認められた場合に限る)の場合は、証明書などの添付書類
⑦資格取得したことにより支給申請する場合は、資格取得を証明する書類

教育訓練支援給付金とは

専門実践教育訓練給付金は、自分で支払った受講費の負担に対して支給されるという給付金になりますが、教育訓練支援給付金は、教育期間中に失業手当が受給できない期間に対して支給される手当になります。

 

どちらか一方を受取るというものではなく、下記要件に該当する方は「専門実践教育訓練給付金+教育訓練支援給付金」を受給することができます。

 

次のような方は教育訓練支援給付金を受給できません

失業手当を受け取っていて、まだ残日数の範囲内であれば、失業手当を受けることができる期間にあるため教育訓練支援給付金は支給されません。

 

また、離職してから受給資格があってハローワークに失業手当の手続きをしていない場合は、失業手当を受給していませんが、この場合には離職日の翌日から1年間は教育訓練支援給付金は受給できません。

 

教育訓練支援給付金の支給対象者

対象者は以下のとおりです。

 

①専門実践教育訓練の教育訓練給付金の受給資格がある
②専門実践教育訓練を修了する見込みがある
③専門実践教育訓練の受講開始時に45歳未満
④受講する専門実践教育訓練が通信制または夜間制ではないこと
⑤受給資格確認時に一般被保険者ではないこと。また、一般被保険者ではなくなった後、短期雇用特例被保険者または日雇労働被保険者になっていないこと
⑥会社などの役員に就任していないこと(活動や報酬がない場合はハローワークで要確認)
⑦自治体の長に就任していないこと
⑧今回の専門実践教育訓練の受講開始日前に教育訓練支援給付金を受けたことがないこと。
⑨教育訓練給付金を受けたことがないこと(平成26年10月1日前に受けたことがある場合は例外あり)
⑩専門実践教育訓練の受講開始日が平成31年3月31日以前であること

 

支給額について

失業手当の支給が受けられない期間について、失業手当の日額と同様に計算して得た額に50%の割合を乗じて得た額に、2か月ごとに失業の認定を受けた日数を乗じて得た額が支給されます。失業手当の給付制限期間中や失業手当と重なって支給されることはありません。

専門実践教育訓練給付と教育支援給付金のまとめ

専門実践教育訓練給付とは、厚生労働大臣が指定した講座を対象とした場合に支払った教育訓練経費のうち、40%を支給(年間上限32万円)され、受講修了日から一年以内に資格取得等し、被保険者として雇用された又は雇用されている等の場合には20%を追加支給(合計60%、年間上限48万円)される給付金のことをいいます。

 

対象者としては、はじめての方は、受講開始日前までに通算して2年以上の雇用保険の被保険者期間を有している方が対象になります。

 

また他に受給できる手当として、専門実践教育訓練(夜間と通信教育は除く)を受ける方で受講開始時に45歳未満など一定の要件を満たしている方が訓練期間中に失業状態にある場合には教育訓練支援給付金が受給できます。

 

金額としては、基本手当の日額と同様に計算して得た額に50%の割合を乗じて得た額に、2か月ごとに失業の認定を受けた日数を乗じて得た額が支給されます。

 

以上、「専門実践教育訓練給付金と教育支援給付金について」の解説でした。

 

 

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