失業保険の手続き1、2、3

雇用保険料を支払っていたからといって、会社を退職さえすれば失業保険から手当がもらえるわけではありません。もらえる条件に合致し、その上で自分自身で手続きをする必要があります。では、その条件とは何か?どこでどのような手続きをすればいいのか、その時にどんな書類が必要なのか、いつもらえるのか、どのくらいの期間もらえるのか、合計でいくらもらえるのかなどについて解説していますのでご覧ください。

 

1、失業保険が受取れる条件とは

失業保険は、会社を退職したとしても次の就職先が決まっていれば受取ることができません。就職活動をしているのに職業につけない方、いわゆる「失業状態にある方」のためのものだからです。そして次の条件が失業保険を受取るために必要となります。

 

1、本人に就職しようとする積極的な意思と能力がある。
2、離職日以前の2年間に被保険者期間が12カ月以上ある
被保険者期間とは、賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を1か月として計算します。

 

賃金支払いの基礎となった日数とは

賃金支払いの基礎となった日数(賃金支払基礎日数)とは、月給制の方であれば年休で休んだとしても賃金支払基礎日数に含めます。ですから暦の日数になります。具体的には、4月なら30日、5月なら31日となります。

 

しかしながら、欠勤をした場合に就業規則、給与規程等に基づきその分を給与から控除しているならば暦日数から差し引いた日数が賃金支払基礎日数になります。具体的には、6月1日から6月30日までの期間で、欠勤日が1日あれば、29日が賃金支払基礎日数になります。完全月給制であれば欠勤しても控除されることはありません。

 

【日給月給の場合】
日給月給の場合は、2通りの数え方があります。
日給が土日など会社が休みのときなどを含めて支払われているときは、月給者と同様に欠勤がなければ暦日で計算します。

 

土日など会社が休みのときなどを含めないで「出勤日数だけ」で日給を支払っているのなら出勤日が賃金支払基礎日数になります。

 

失業の状態に該当しない方とは?

以下の方は失業の状態に該当しません。

 

  • 病気やけがのためすぐには就職できない
  • 妊娠・出産・育児のため、すぐには就職できない
  • 定年などで退職してしばらく休養しようと思っている
  • 結婚などにより家事に専念しすぐに就職することができないときなど

2、失業保険はどこでどのような手続きを行うの?

失業保険を受取るためには、ハローワークに手続きにいきますが、もちろん手ぶらというわけではありません。必要な持ち物があります。

 

  1. 離職票-1
  2. 離職票-2
  3. 雇用保険被保険者証
  4. マイナンバー確認書類(マイナンバーカード、通知カード)
  5. 身元証明書(運転免許証や顔写真付きの資格証明書)
  6. 印鑑
  7. 写真2枚(タテ3センチ、横2.5センチ、1枚は離職票-2の下部の写真貼付欄に貼る)
  8. 本人名義の預金通帳
  9. 船員であった方は、船員失業保険証および船員手帳

これらのものを持ってハローワークに行きます。離職表については、通常は離職後2週間以内には会社から送られてきます。紛失してしまった場合は、雇用保険の離職証明書と離職票の違いはなに?再発行はどうすればいいの?をご覧ください。雇用保険被保険者証については、すでに手元にあると思いますが、同様に紛失してしまった場合は、雇用保険被保険者証を亡くした場合の再発行手続きをご覧ください。

 

ハローワークでの手続き

お住いの管轄のハローワークが開いている時間帯に行って手続きをします。平日の8:30~17:00が基本的な開庁時間です。ハローワークに行って最初の手続きは、失業保険をもらうための手続きではありません。「求職の申込み手続」になります。

 

求職申込書に、住所氏名や生年月日、連絡先電話番号、希望する仕事、希望する就業形態(正社員・派遣・請負)、希望収入、直近の勤務先などを記入します。記入し終わったら、離職票や、雇用保険被保険者証、身分証明書、銀行通帳と共に窓口に提出します。ここでハローワークカードと冊子が渡されます。

 

その後、離職理由などの質問と日程等の説明を受け、提出書類に不備がなければ失業保険受給資格の決定となります。「雇用保険受給資格者のしおり」が手渡され、この日の手続きはこれで終了となります。その次は、「雇用保険受給資格者のしおり」に指定されている日時の「雇用保険説明会」に必ず出席します。

3、失業保険はいつからもらえるの?

失業保険は、いつもらえるのか。「離職理由によって違っている」というのが答えになります。

 

離職理由とは、自己都合による離職なのか、あるいは会社倒産や解雇などによるものなのかを言います。専門用語では、自己都合による離職を「一般受給資格者」といい、会社倒産や解雇などによるものを「特定受給資格者」といいます。その他に、派遣などで期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ当該労働契約の更新がないことにより離職した者などは、「特定理由離職者」になります。最終的な離職理由の判定は、ハローワークが行いますが、この離職理由によってすぐにもらえるのか、あるいは3ヵ月経過後にもらえるのかで違ってきます。

 

「一般受給資格者」は、支給の開始は、7日間の待機期間が経過した後になっています。しかしながら、7日間が過ぎたからといって、口座に振込まれるわけではありません。

 

そこで、特定受給資格者や特定理由離職者に該当する方の具体的な事例として見てみましょう。

 

8月17日にハローワークに求職の手続きに行って失業保険受給資格者に認定されたとします。この日から7日間となる8月23日までは待期期間となります。

 

次に雇用保険説明会が8月29日だとすれば、これに参加し、失業認定申告書の書き方や雇用保険制度についてビデを見たり説明を2時間ほど受けます。また、この説明会で雇用保険受給資格者証を受け取ります。

 

9月13日が第1回の失業認定日。この日は、ハローワークに行き、「失業認定申告書」に求職活動の状況等を記入し、「雇用保険受給資格者証」とともに提出します。その後、この日から約7日間後までには失業手当21日分が口座に振込まれます。
10月11日は、 第2回の失業認定日になります。この日もハローワークに行き、「失業認定申告書」に求職活動の状況等を記入し、「雇用保険受給資格者証」とともに提出します。前回の失業認定日9月13日から10月10日までに求職として認められる活動を2回以上行っている必要があります。10月17日には2回目の手当28日分が振込まれます。

このようなスケジュールで4週間に一度失業認定が行われ進んでいきます。
次に「自己都合による離職」のスケジュールはどうなっているのか見てみましょう。

 

自己都合の場合のスケジュール

自己都合であっても第1回失業認定日までは特定受給資格者や特定理由離職者と同じスケジュールで進みます。でも、1週間後に手当は振込まれません。

 

なぜならば、自己都合による離職は、待期期間の翌日から3ヶ月間は給付制限期間があるからです。つまり11月21日が給付制限終了日となりますから求職活動をするだけで入金はされないのです。

 

そして12月6日が第2回目の失業認定日となり、12月12日頃に初めての手当が振込まれることになります。振り返ってみえば初めてハローワークに行ったのが8月17日ですから、アルバイトでもしなければ約4カ月間も無収入になります。

 

それでは、合計でもらえる手当の日数は、どうなっているのでしょうか。これらは離職時の満年齢や被保険者期間によって違ってきます。

 

会社都合等での離職の場合の失業手当の給付日数

解雇や倒産など会社側からの働きかけによる離職である特定受給資格者と特定理由離職者が該当します。特定受給資格者と特定理由離職者の詳細については、倒産と会社都合で退職したときの失業保険、特定受給資格者について解説をご覧ください。

 

区分

被保険者になっていた期間

1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
30歳未満 90日 90日 120日 180日
30歳以上35歳未満 90日 90日 180日 210日 240日
35歳以上45歳未満 90日 90日 180日 240日 270日
45歳以上60歳未満 90日 180日 240日 270日 330日
60歳以上65歳未満 90日 150日 180日 210日 240日

 

自己都合での離職の場合の失業手当の給付日数

自己都合で離職(一般受給資格者)の場合は次の日数になっています。

 

区分

被保険者になっていた期間

1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
全年齢 90日 90日 120日 150日

 

就職困難者の失業手当給付日数

身体障害者、知的障害者、精神障害者、刑法等の規定により保護観察に付された方、社会的事情により就職が著しく阻害されている方が該当します。

 

区分

被保険者になっていた期間

1年未満 1年以上5年未満 5年以上10年未満 10年以上20年未満 20年以上
45歳未満 150日

300日

45歳以上60歳未満 150日

360日

 

詳細については、必ず知っておきたい失業保険の計算と給付日数についてをご覧ください。

4、受取れる金額はいくら?

ここまでで、失業保険の手続きについてとスケジュール、受取れる日数について説明しました。ここでは、いったいいくら受取れるのかについての説明になります。

 

全部で受け取れる金額は、「基本手当日額×所定給付日数」で計算します。
では、基本手当日額とは何をいうのでしょうか。

 

基本手当日額とは

1日あたり受取れる失業保険の金額を「基本手当日額」といいます。
この基本手当日額は、原則として離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金の合計を180で割って算出した金額(これを「賃金日額」といいます。)になります。この金額に複雑な計算式をあてはめたものが基本手当日額になります。
※失業保険の賃金日額計算は賞与等は除きます。

 

具体例として、退職前の6カ月間の賃金の総額が180万円だとします。この180万円を180で割ると180÷180=1万円となります。この数字が賃金日額になります。

 

さらにこの賃金日額を基に決められた式で計算したのが基本手当日額になります。※上限額があります。

 

もしも、年齢が30歳以上35歳未満で倒産や解雇など会社都合による離職。被保険者期間が5年以上10年未満、賃金日額が1万円だとしたら基本手当日額は5,705円となり、所定給付日数は180日になります。よってもらえる合計額としては、1,026,900 円になります。

 

勤めていたころの給料は6カ月で180万円ですから、それから見れば約57%程になります。もしも同じ条件で給料のみが退職前の6カ月間の賃金の総額が300万円だとしたらどうなるでしょうか。

 

この場合は、基本手当日額は上限額となる 7,105円となりますから、180日分で合計1,278,900円です。勤めていたころの給料は6カ月で300万円ですから、それから見れば約42%程になってしまいます。

 

上限額があるためこのように、賃金が高い人ほど給付率は下がってしまいます。
詳しくは、必ず知っておきたい失業保険の計算と給付日数についてをご覧ください。

5、まとめ

失業保険の手続きはハローワークで行います。その際に持っていく主なものは、離職票と雇用保険被保険者、マイナンバーカード等になります。

 

ハローワークでの手続としては、失業保険給付の手続きではなく、求職の申込みなります。求職申込書に、住所氏名や生年月日、連絡先電話番号、希望する仕事、希望する就業形態(正社員・派遣・請負)、希望収入、直近の勤務先などを記入します。記入し終わったら、離職票や身分証明と共に窓口に提出します。

 

書類等に不備がなければ失業保険受給資格の決定となります。その後、「雇用保険受給資格者のしおり」が手渡され、この日の手続きはこれで終了となります。

 

実際に失業保険が受取れるには、離職理由によって異なってきます。会社都合であれば所定の手続きを踏めば1ヵ月くらいで入金されます。ですが、自己都合ともなると、初めてハローワークに行った日から4カ月くらいは入金がされません。

 

受取れる合計給付額は、離職時の満年齢、被保険者期間、離職した日の直前の6か月に毎月きまって支払われた賃金によって違ってきます。

 

以上、「失業保険の手続きはどうすればいいの?」でした。次は、雇用保険の助成金にはどのようなものがある?

 

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