2017/04/20 18:27:20

日本は、高齢者が益々増え、要介護者も増加の一途をたどっています。
そのため50代ともなると親が要介護者になり、その世話のことで頭を悩ます人も増えています。

 

要介護者を自宅で世話をする場合、介護保険を使えば1割か2割の自己負担でヘルパーに依頼できます。しかしながら、要介護度によって利用限度額があるため常時依頼することはできませんから、それ以外の時間帯は身内で行うのが一般的です。

 

問題は、仕事を抱えている現役世代にとっては「仕事と介護」を両立させるのは難しいことです。
年休を使って介護にあたればいいですが、日数の限度もあります。

 

そこで、堂々と介護をするために休み、給料がある程度補償されていれば安心して世話にあたることができます。その制度が、雇用保険の介護休業給付金です。

 

そこで、このページでは、介護休業給付金の概要、資格条件、支給額等について取り上げてみました。(平成29年1月1日に新制度が施行され介護休業の取り方や給付率が変更になりました。)

介護休業給付金とは

介護休業給付金とは、一般被保険者、及び高年齢被保険者(65歳以上の被保険者)が家族を介護するために休業を取得したときに一定の要件を満たすと支給される給付金です。

 

まずは、雇用保険の給付金体系図で介護休業給付金の位置を確認してください。

 

介護休業給付金

 

介護休業給付金の受給資格者とは

介護休業給付金の受給資格については次のとおりです。

 

  • 家族を介護するための休業を取得した雇用保険の一般被保険者及び高年齢被保険者。雇用保険の被保険者の詳細についてはこちらの雇用保険の被保険者には4種類ありますをご覧ください。
  • 介護休業を開始した日前2年間に、賃金支払い基礎日数が11日以上ある月(完全月)が12ヶ月以上あること。(ただし、過去に基本手当の受給資格の決定を受けたことがある方については、基本手当の受給資格決定を受けた後のものに限ります。)
  • 雇用契約期間に定めのある方は、休業開始時において次のいずれにも該当していることが必要です。

     

    ◯同一事業主の下で1年以上雇用が継続していること ※事業主の命令により一定期間出向していた(いる)期間があっても、同一事業主の下における雇用として通算される場合があります。
    ◯介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日(93日目)を越えて引き続き雇用される見込みがあること。ただし、93日を越えた契約期間が93日経過日から6ヶ月を経過する日までの間に満了する場合は、その契約後は更新しないことが明らかな場合は「見込み」に該当しません。

 

介護休業を終了すると同時に退職する場合に介護休業給付金は支払われますか?

いいえ。介護休業と同時に離職する場合は、支給対象になりません。

介護給付金の支給要件

介護休業給付金の支給要件は以下のとおりです。

 

  • 支給対象期間の初日から末日まで被保険者であること
  • 各支給対象期間において支払われた賃金がある場合は、休業開始日前に受けていた平均賃金と比べて80%未満の賃金であること
  • 各支給対象期間において就労日数が10日以下であること

 

「支給対象期間」とは、休業開始日から起算して1ヶ月毎の期間をいいます。

 

例1)4月6日から介護休業を開始し、6月15日に終了した場合

 

  • 4月6日~5月5日・・・支給対象期間その1
  • 5月6日~6月5日・・・支給対象期間その2
  • 6月6日~6月15日・・・支給対象期間その3

 

例2)5月31日から介護休業を開始し、8月31日に終了した場合

  • 5月31日~6月29日・・・支給対象期間その1
  • 6月30日~7月30日・・・支給対象期間その2
  • 7月31日~8月30日・・・支給対象期間その3

 

介護休業給付金の支給対象者

以下の2つを満たす場合に、家族一人につき、介護休業開始日からのべ93日の範囲内に限り支給されます。

 

①家族等の介護をするための介護休業:身体上の負傷・疾病による障害、または精神上の障害により2週間以上に渡って、日常生活上に必要とする歩行・排泄・食事等の常時介護が必要とする状態にある「家族の介護※」であること。

 

※ 家族の介護とは、配偶者、父母(養父母を含む)、子(養子を含む)、配偶者の父母(養父母を含む)。祖父母、兄弟、姉妹、孫は、被保険者と同居し、かつ、被保険者が扶養していることが条件となります。

 

②被保険者は、事業主に予めその期間の介護休業の初日と介護休業の末日とする日について申し出を行い、それに従って取得した介護休業であること

 

 

介護休業給付金の支給額計算式

介護休業給付金の支給額=休業開始時賃金日額×支給日数×67%で計算します。

 

賃金日額について:賃金日額は、介護休業開始前6ヶ月の賃金を180で除した額になります。ただし、賃金月額(賃金日額×30)は、466,500円を上限、68,700円を下限とします。(平成29年7月31日まで、毎年8月1日に見直し)

 

介護休業給付金の新旧比較

介護休業給付金は平成28年8月1日以降に開始する介護休業から支給率が変更になっています。下記の図をご覧ください。

 

介護休業開始時の賃金の40%でしたが平成28年8月1日以降67%に引き上げされています

 

支給期間中に賃金が支払われた場合について

支払期間中に賃金の支払日があった場合には、その賃金によって以下のとおり減額もしくは、不支給となります。

 

支払われた賃金の額と賃金日額×支給日数のパーセンテージの合計額によって以下のとおりになります。

 

  • 13%以下の場合:賃金月額の67%相当を支給
  • 13%を超えて80%未満の場合:賃金月額の80%相当額と賃金の差額を支給
  • 80%以上の場合:支給なし

 

給付金の支給対象期間

ひとつの介護休業期間が3ヶ月を超える場合は、3ヶ月が限度になります。
また、介護休業給付金は、家族ひとりにつき93日を限度に3回を限度に支給されます。

介護休業給付金はいつもらえるの?手続はどうするの?

結論からいいますと、介護休業が終了した日以降の受取りになります。ですから、介護休業を連続して93日間取得すると早くても3ヵ月先になります。

 

しかしながら、事業主の申請期限は、「介護休業終了日からの翌日から起算して2ヵ月を経過する日の属する月末まで」となっていますので、場合によってはさらに先になります。

 

例えば、8月20日が介護休業終了日だとします。
この場合は、8月21日から10月31日までが提出期限です。ですから、10月31日ギリギリに提出した場合には、11月10日くらいにならないと振込まれません。つまり本人が介護休業申出書を会社に提出しても会社自体の手続きしだいで受取れる日は変わってきてしまいます。

 

※ 介護休業を分割して取得されるときは、分割して支給されます。

 

介護休業を分割して取得した場合

厚生労働省のリーフレットの事例をわかりやすくしてみました。
同じ家族に対して2回に分けて介護休業を取得して事例です。

 

①平成29年4月1日~5月31日まで61日の介護休業を取得。介護休業給付金61日分を受給
②平成29年9月1日~10月2日まで32日の介護休業を取得。介護休業給付金32日分を受給

 

①の内訳:平成29年4月1日~4月30日までの30日(支給対象期間その1)
平成29年5月1日~5月31日(休業終了日)までの31日(支給対象期間その2)
合わせて61日の受給。

 

②の内訳:平成29年9月1日~9月30日までの30日(支給対象期間その1)
平成29年10月1日~10月2日(休業終了日)までの2日(支給対象期間その2)
合わせて32日の受給。

 

①+②=93日分の介護休業給付金の受給となります。

 

介護休業給付金を受取るための手続

事業主が、雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書と介護休業給付金申請書、並びに添付書類(賃金台帳や出勤簿)をハローワークに提出します。電子申請も可能です。

 

提出期限日

介護休業終了日の翌日から起算して2ヵ月を経過する日の属する月末まで。
例:介護休業終了日が5月20日なら5月21日から7月31日までが提出期限日

 

この手続き終了してハローワークが認定すると支給決定通知書交付されます。支給決定日から1週間後に指定金融機関の口座に振込まれます。

 

提出書類

  • 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
  • 介護休業給付金支給申請書

 

添付書類
  • 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」の記載内容が確認できる書類(賃金台帳・出勤簿・タイムカードなど)
  • 介護休業の開始日・終了日、介護休業期間中の休業日数の実績が確認できる書類(出勤簿・タイムカードなど)
  • 介護休業期間中に介護休業期間を対象として支払われた賃金が 確認できる書類(賃金台帳など)
  • 被保険者が事業主に提出した介護休業申出書
  • 介護対象家族の方の氏名、申請書本人との続柄、性別、生年月日等が確認できる書類(住民票記載事項証明書など)

 

添付書類については、最寄りのハローワークにご確認ください。

介護休業給付金のまとめ

介護休業給付金は、一般被保険者、及び高年齢被保険者が家族を介護するために休業を取得したときに支給される給付金です。

 

支給額については、休業開始時賃金日額×支給日数×67%で計算されます。

 

手続きについては、事業主が、介護休業終了日の翌日から起算して2ヵ月を経過する日の属する月末までにハローワークへ雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書、と介護休業給付金支給申請書、並びに添付書類を添えて提出する必要があります。

 

以上、「介護休業給付金の支給要件や支給額についてのポイントを解説」でした。

 

該当カテゴリー:雇用保険(失業保険)
関連カテゴリー:労災保険健康保険