女性が社会人となって結婚。その後に妊娠、そして出産。出産となれば会社を休むことになりますが、これに関係してくるのが産前・産後休業や育児休業です。育休は父母双方が取得できるものですので、ここでは育児休業制度についてとパパ・ママ育休プラスとはどのような制度なのかについてQ&A形式で解説します。(平成29年10月1日時点での内容です)

 

2017/10/07 11:10:07

育児休業とはどんな制度

育児休業についての質問に対する回答集です。

 

育児休業とは、どんな制度ですか?

 

育児休業法で定められた制度で、子が1歳に達するまでの間、育児休業を取得することができる制度です。1歳に達するまでとは1歳の誕生日の前日をいいます。

 

育児休業を取ることができるのは女性だけですか?

 

いいえ。女性(母)だけでなく男性(父)も取得することができます。

 

どんな会社でも育児休業は取得できるのですか?

 

会社の大小に関係なく、また就業規則がなくても申出すれば育児休業を取ることができます。会社側から見れば、従業員から申し出があれば育児休業などを取らせなければなりません。

 

育児休業期間はどんな会社でも同じですか?

 

国が法律で定めているのは1年ですが、会社によって育児休業期間は異なっています。大企業は最長2年や3年、公務員は3年の育休期間があります。ただし、民間企業では3年も休むと仕事内容も大幅に変わってしまうことがあります。当然、それに対するスキルも違ってくるため復帰のことを考えるとこの点も考慮して休業する必要があります。

 

育児休業の申出はいつまでに行う必要がありますか?

 

育児休暇は、原則として取得開始の1ヶ月前までに申請しておく必要があります。パパも子どもが生まれてすぐに育休を開始したいならば、出産予定日の1ヵ月前までに申請を行っておく必要があります。

 

育児休業開始日の繰上げ変更はできますか?また終了日を繰り下げることはできますか?

 

はい、可能です。育児休業法・第7条では「出産予定日よりも早く子が出生した場合及び配偶者の死亡、病気、負傷等特別の事情が育児休業開始予定日を 1 回に限り当該育児休業開始予定日とされた日前の日に変更することができる」とされています。

 

例えば、5月1日を当初の育休開始日とします。4月上旬に特別の事情にあたる子どもが早く出生したことにより、4月10日より休業開始をしたい旨の変更申出を4月9日にした場合。会社によっては10日から認められる場合もありますが、事業主は都合により4月10日から4月16日(変更の申出があった日の翌日から起算して1週間を経過する日)の間で指定することができます。

 

終了日の繰り下げ変更も事由を問わず、1回に限り育児休業を終了する日を繰下げ変更し、育児休業の期間を延長することができます。ただし1歳に達するまでの育児休業を終了する日の繰下げ変更をする場合は、当初育児休業を終了しようとしていた日の1か月前までに変更の申出をしなければなりません。

 

上記とは別に、1歳6か月(又は2歳)までの育児休業を終了する日については、当初育児休業を終了しようとしていた日の2週間前までに変更の申出をすることにより、終了予定日の繰下げ変更をすることができます。

 

事業主が適当と認める場合にはファックス又は電子メール等によることも可能です。

 

育児休業の申出をすることによっての解雇が不安です。この点はどうなっていますか?

 

育児休業を取ったことによっての解雇等は法律で禁止されています。このような場合は、お近くの労働局雇用環境・均等部(室)にご相談ください。

 

配偶者が専業主婦の場合はどうなりますか?

 

夫が会社員で妻が専業主婦であっても1歳に満たない子を養育する場合には、育児休業を取得することができます。例外として「配偶者が常に養育することができる場合を除く」というような労使協定があった場合には、育児休業は取得できません。ただし、産後8週間までの期間内については育児休業は取得することはできます。

 

育児休業の延長として「1歳6か月(又は2歳)に達するまでの間、育児休業できる」とありますがこれはどういうことですか?

 

1歳6か月(又は2歳)まで育児休業できるのは、次のいずれかの事情があった場合です。

  • 保育所に入所を希望しているが、入所できない
  • 子の養育を行っている配偶者が1歳以降子を養育する予定であったが、死亡、負傷、疾病等の事情により子を養育することが困難になった場合:育児休業中の労働者が継続して休業するほか、子が1歳まで育児休業をしていた配偶者に替わって子の1歳の誕生日から休業することもできます。
  •  

    1歳から1歳6か月(又は2歳)までの育児休業については、休業開始予定日(1歳の誕生日)から希望通り休業するには、その2週間前に申出が必要です。

 

子どもを養育しなくなった場合はどうなりますか?

 

子どもを養育しなくなった場合には、育児休業は終了します。また、育児休業開始前に子を養育しないこととなった場合には、育児休業の申出はされなかったことになります。

育児休業を取得するとお給料はどうなりますか?

 

仕事ができないため一般的にはお給料は支払われません。その代わりに雇用保険の被保険者であって要件を満たしていれば、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。金額は、育児休業開始から180日目までは標準報酬月額の67%、181日目以降は50%です。
育児休業給付金のイメージ

 

ただし、所得税、社会保険料、雇用保険料は免除されるため差引かれませんので休業前のおおよそ8割支給になります。住民税の負担はあります。

 

公務員は、各共済組合から育児休業手当金という名称で原則は子が1歳に達する日までの期間まで支給されます。

 

育児休業給付金が受取れる要件とは何ですか?

 

要件としては、雇用保険の一般被保険者で育児休業開始日より2年間さかのぼり、1カ月に11日以上働いた月が12カ月以上ある必要があります。一般被保険者とは、65歳未満で週に40時間の労働時間がある方、週に20時間以上40時間未満でも1年以上の雇用が見込まれる方をいいます。正規職員、派遣労働者、パートタイマー、アルバイトなどが該当します。育児休業給付金については、育児休業給付金とは?手当の計算方法と申請手続きについて解説をご覧ください。

 

 

パパ・ママ育休プラスとはどんな制度

パパ・ママ育休プラスとはどんな制度ですか?

 

パパ・ママ育休プラスとは、両親がともに育児休業を取得する場合に原則子が1歳までの休業可能期間が、子が1歳2か月に達する(1歳2カ月になる前日)までに延長される制度です。
※両親とも子が1歳2ヵ月まで取得できる制度ではありません。

 

パパ・ママ育休プラスで1歳2ヵ月まで延長できるとはどういうことですか?

 

○ 両親ともに育児休業する場合で、次のいずれも満たした場合。
育児休業の対象となる子の年齢が、原則 1 歳に満たない子から原則1歳2か月に満たない子までに延長されます。

 

  1. 育児休業を取得しようとする労働者(以下「本人」)の配偶者が、1歳に達するまでに育児休業をしていること。※ 1歳到達日とは、誕生日の前日です。
  2. 本人の育児休業開始予定日が、子の 1 歳の誕生日以前(誕生日はOK)であること
  3. 本人の育児休業開始予定日が、配偶者の育児休業の初日以降であること

 

上の説明ではわかりずらいので付け加えます。どちらが育休プラスを取得したいかで本人と配偶者は変わってきます。父(パパ)が育休プラスを取得したいならば1の労働者は父になりますので配偶者は母です。そして2と3の本人とは父になります。母が育休プラスを取得したいならば、逆になります。

 

パパ・ママ育休プラスは、両親の育児休業期間が重複することも可能ですか?

 

はい、重複は可能です。また連続している必要もありません。

 

パパ・ママ育休プラスは両親そろって1年2ヵ月取得できるのですか?

 

いいえ。それぞれの育児休業の上限は1年です。1歳2ヵ月まで育児休業を振り分けるイメージになります。

 

ママが1歳2ヵ月まで育休を取得するにはどうすればいいのですか?

 

ママが1歳2ヵ月まで育休を取得するには、パパよりも後に育休を取得すること。しかも子どもが1歳になる前に取得する必要があります。
しかし、ママの育休は産後休業期間を含んで1年間(365日、うるう日を含む場合は366日)となっています。産後休業に続いて育休を取得すると1歳2カ月まででは1年を超えてしまいます。すなわち、ママは産後休業から連続して1歳2ヵ月まで育休を取得することはできません。

 

育児休業給付金は6ヶ月間は67%となっていてその後は50%に下がりますよね。この場合にパパが育児休業を取得すると給付金はどうなりますか?

 

ママが産後休業に続いて育児休業を取得したときは、ママの育児休業給付金が50%になる時点は、出産日翌日よりおおよそ8ヶ月後(出産日の翌日から56日+6ヵ月)です。その時点でパパが育児休業を取得すればパパに67%の育児休業給付金が1歳2ヵ月(6ヶ月間)まで支給されます。

 

父が育休を再度取得できるとするには、配偶者の「出産後8週間以内に育児休業を開始し、かつ終了している必要がある」となっているようですが、出産予定日より早くなったり遅くなる場合もあります。この場合はどのように計算するのですか?

 

父が配偶者の産後休業期間中に育休を取得する期間を特例期間といいます。特例期間は、原則として出生日から8週間以内となります。しかしながら、出産予定日ですから当然ズレも生じます。このズレの取り扱いについては、2パターンあります。

 

  1. 出産予定日前に子が産まれた場合は、出生日から出産予定日の8週間後まで
  2. 出産予定日後に子が生まれた場合は、出産予定日から出生日の8週間後まで

 

となります。

 

例えば、2018年4月1日が出産予定日で実際に出産した日も同日だとしましょう。この場合の特例期間は、4月1日から5月27日までです。

 

4月1日が予定日で3月29日に出産した場合は、3月29日から5月27日までになります。
4月1日が予定日で4月3日に出産したならば、4月1日から5月29日までとなります。

 

パパ・ママ育休プラスの具体例

パパ・ママ育休プラスの具体例を取りあげてみました。厚生労働省の資料より引用。

 

条件は次の通りです。

 

  • 子の出生日:平成 22 年 10 月 10 日(日)
  • 子が1歳に達する日(1歳到達日):平成 23 年 10 月 9 日(日)(通常の休業取得可能期間)
  • 子が1歳に達する日の翌日:平成 23 年 10 月 10 日(月)
  • 子が1歳2か月に達する日:平成 23 年 12 月 9 日(金)
  •  

    以下、具体例をご覧ください。

     

    父(パパ)と母(ママ)が交代で切れ目なく1歳2カ月まで育休を取得する事例

    母(ママ)は産後休業に続いて育休を子の1歳誕生日前日まで取得。育休の切れ目がないよう父(パパ)が、子の1歳誕生日から育休を1歳2ヵ月(12月9日)まで取得した事例。

     

    パパとママが交代で切れ目なく1歳2カ月まで育休を取得する事例

     

    父(パパ)と母(ママ)の育休の重複事例

    母(ママ)は産後休業に続いて育休を子の1歳誕生日前日まで取得。その途中で重複して父(パパ)も育休を1歳2ヵ月(12月9日)まで取得した事例。

     

    パパとママの育休の重複事例

     

    父(パパ)と母(ママ)の育休が連続していない事例

    母(ママ)は、産後休業に続いて育休を取得。間をあけて子の1歳誕生日(10月10日)から1歳2か月(12月9日)まで父(パパ)が育休を取得した事例。

     

    パパとママの育休が連続していない事例

     

    父(パパ)が育休を取得できない事例

    父が育児休業を開始できる日は、子どもの1歳誕生日10月10日までですが、取得が10月11日になっているため育休は取れません。

     

    父が育休を取得できない事例

     

    母の育休プラスの取得が認められない事例

    育休プラスの条件として、「本人の育児休業開始予定日が、配偶者がしている育児休業の初日以降であること」がありますが、この事例では、母(本人)の育児休業開始日が、父(配偶者)より先であるため、母はパパ・ママ育休プラスの対象とはなりません。育児休業が取得できる期間は1歳到達日(10 月 9 日)までになります。

     

    母の育休プラスが認められない事例

     

    パパ・ママ育休プラス、父が2度目の育児休業をする事例

    父が2度目の育児休業をする事例

     

    パパ休暇とはどんな制度ですか?

     

    パパ休暇とは、通常、育児休業の取得は原則1回までですが、子の出生後、父親が8週間以内に育児休業を取得した場合には、特別な事情がなくても、再度、育児休業が取得できる制度です。ただし、子の出生後8週間以内に育児休業を取得していることと、子の出生後8週間以内に育児休業が終了していることが必要です。