2018/07/06 13:24:06
保険には、国が管理運営している健康保険や年金などの社会保険制度と保険会社が販売している自動車保険、自転車保険、生命保険などがあります。

これらの制度や約款には、「被保険者」「被扶養者」「任意継続被保険者」「記名被保険者」などが出てきます。これらの言葉の違いについてわかりやすく解説してみました。

被保険者と被扶養者とは

日本では、国民皆保険となっていますので、誰でもが何らかの医療(健康)保険制度への加入が義務付けられています。

会社勤めの方なら「協会けんぽ」や「健康保険組合」。同種同業による組合員で構成されている「国民健康保険組合」。自営業や年金生活者は「国民健康保険」、75歳以上の方は、「後期高齢者医療制度」です。

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これら健康保険において保険給付が受けられる対象者を「被保険者(ひほけんしゃ)」といいます。

健康保険の被保険者と被扶養者の違い

健康保険の「被扶養者(ひふようしゃ)」とは、被保険者と生計を維持している方です。

生計を維持している方とは、主として被保険者の収入によって生活している人をいいます。

たとえば、配偶者や子供がいる方ならば、配偶者や子供、孫、は「被扶養者」になります。ただし、60歳未満の方は、年収で130万未満、60歳以上の方は180万円未満である必要があります。この金額を超えると被扶養者にはなれませんので、ご自身で健康保険に加入することになります。

被保険者の父母や祖父母、子、孫、弟妹については別居であっても被保険者と生計を維持しているならば被扶養者とすることができます。

なお、国民健康保険組合(国民健康保険とは違います)においては、被扶養者という概念はありませんので、130万円以上の年収がある場合でも、組合員と同一世帯であれば被保険者になれます。

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被保険者の兄姉については生計維持関係があり同居が条件になります。なお、配偶者の父母等も同様です。

任意継続被保険者とは

健康保険に加入されていた人が会社を退職され、引き続きその健康保険に加入される場合には、「任意継続被保険者」となります。(保険料は会社負担がなくなりますので高くなります)

こちらは、会社を退職するまでに継続して2ヵ月以上の被保険者期間があったならば、任意継続被保険者として最長2年間はその健康保険を継続することができるようになっています。こういった方を任意継続被保険者といいます。

任意ですから健康保険に継続加入するしないは自身で選択することができますが、資格喪失日から「20日以内」に申請しないと任意継続被保険者にはなれません。

任意継続被保険者以外の選択肢
任意継続被保険者以外の選択肢としては、国民健康保険などが一般的になります。
医療費の自己負担は、健康保険であっても国民健康保険でも同じです。違いは保険料になります。

任意継続被保険者の保険料は、会社から半分負担はされなくなりますので全額自己負担することになります。

ただし保険料計算の基となる標準報酬月額の上限は決められています。

この任意継続被保険者の保険料と国民健康保険の保険料のどちらが安いのか比べるて、安いほうを選択すればいいのですが、先ほども言いましたように任意継続被保険者となるためには資格喪失日から20日以内に申請する必要がありますからご注意ください。

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健康保険・被保険者の資格

会社にお勤めの方なら正規労働者のみならずパートやアルバイトの方でも以下のすべての条件を満たしている方は被保険者の資格があります。
  • 週の所定労働時間が20時間以上あること。
  • 賃金の月額が8.8 万円(年収106 万円)以上あること。
  • 勤務期間が1年以上見込まれること。
  • 学生ではないこと。
  • 規模501名以上の企業(特定適用事業所)を強制適用対象とする。

上記の年収106万円は、改正により新しくできた、いわゆる「106万円の壁」です。詳しくは、こちらの年収106万円の壁とは?厚生年金・健康保険のメリット、デメリットを検証をご覧ください。

生命保険の被保険者

生命保険、自転車保険、傷害保険、がん保険、医療保険などにも「被保険者」があります。

これらのいう被保険者とは、「保険の補償(保障)を受けられる人」あるいは、「保険対象となる人」をいいます。

生命保険に契約するときに申込書には必ず「被保険者」の氏名を自署する欄があります。

たとえば、自分に万が一のことがあったら妻が困るので生命保険に加入しておこうと考えたときに、保険をつけておきたいのは自分自身ですから、被保険者は自分になります。

また、妻が自分で生命保険に加入する際には、保険をつけておきたいのは自分ですから、被保険者は「妻」になります。

学資保険や子供保険などは、一般的には父親か母親のどちらかが契約者になり、子どもが被保険者になります。

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学資保険の必要性についてはこちらの学資保険は必要か?必要ない(不要)?あなたはどっち派をご覧ください。


自転車保険なども同じです。自転車に乗る人を対象に補償をつけておきたいわけですから、その方や家族を被保険者とします。

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国民年金の被保険者は3種類

日本に住んでいる20歳以上~60歳未満の方は国民年金に加入することとなっていますが、この加入者を被保険者といい、3種類に分けられています。

  • 第1号被保険者:20歳以上60歳未満の自営業者・農業者とその家族、学生、無職の人等
  • 第2号被保険者:会社員や公務員など厚生年金や共済年金加入者
  • 第3号被保険者:厚生年金、共済組合に加入している第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者(年収が130万円未満の人)

自動車保険の被保険者と記名被保険者について

記名被保険者とは、自動車保険の用語です。主に車を使用をされる運転頻度の高い方のことをいいます。

自動車保険では、1名を記名被保険者として定めて契約締結をします。
ただし、必ずしもその記名被保険者だけが補償対象者になるとは限りません。

自動車保険は、補償対象者を限定させることができますが、運転者を「限定なし」、もしく「家族限定」ならば配偶者も子どもも補償対象者にすることができます。

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契約者と記名被保険者の違いとは?

自動車保険の契約する際には、契約者と記名被保険者を決める必要があります。
契約者とは、保険料の支払い義務を負うものです。

通常は、契約者=記名被保険者となりますが、必ずしも同じなくても構いません。
車両名義人が父であっても、

契約者=父
記名被保険者=子ども

このような契約形態でもOKです。

 

 

介護保険

介護保険では、40歳以上の方は介護保険の被保険者になります。
ただし介護保険においては、被保険者には、第1号被保険者と第2号被保険者があります。

  • 第1号は、65歳以上の方
  • 第2号は、40歳以上65歳未満の方をいいます。

健康保険に加入されている被扶養者の方でも40歳以上であれば介護保険の被保険者になります。

介護保険サービスを受けるには、要支援や要介護の認定が必要です。
基本的には、対象者は、65歳以上の第1号被保険者で介護や支援が必要であると認められた人になります。

40歳以上65未満の第2号被保険者については、初老期痴呆、脳血管障害など老化にともなう病気(特定疾病)によって介護や支援が必要であると認められた人のみが対象者となります。
介護保険の被保険者と認定されると「介護保険被保険者証」がお住いの市町村から発行されます。

労働保険

労働保険には、労災保険と雇用保険の2つがあります。
労災保険には、被保険者という概念はありません。正社員のみならずパートやアルバイトすべての労働者が補償対象者となります。

労働者が業務上で負ったケガや病気、通勤途上でのケガ・病気の補償を無料で治療を受けることができます。また、障害が残った場合や死亡された時には、本人または遺族に対して補償がされます。

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労災保険と通勤災害のことについて解説しています

※業務上で負ったケガや病気、通勤途上でのケガ・病気での療養については健康保険は使えません。

雇用保険の被保険者

雇用保険の被保険者とは、失業給付等の給付対象となっている方をいいます。

雇用保険の被保険者の対象となる方は、同じ会社で31日以上引き続き雇用が見込まれる者です。被保険者となるとその証としてハローワークから「雇用保険被保険者証」が本人に発行されます。
これによって退職日から前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上ある場合には、失業したときに「失業手当(基本手当)」を受取ることができるようになります。被保険者期間とは、1ヶ月ごとに区切っていた給料の支払い日数が11日以上ある月を1ヵ月として計算します。

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〇平成29年1月1日から65歳以上の方も雇用保険の対象者となりました。詳しくは、改正により65歳以上の方も雇用保険の対象者になりました
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まとめ

被保険者とは、「保険の補償(保障)を受けられる人」あるいは、「保険対象となる人」のことをいいます。年金においては、年金加入者になります。

被保険者の用語が使われる保険の種類は以下のものがあります。

  • 健康保険
  • 雇用保険
  • 国民年金
  • 介護保険
  • 生命保険
  • 個人年金

健康保険においては、被保険者の他に「被扶養者(ひふようしゃ)」、「任意継続被保険者」があります。被扶養者とは、被保険者と生計を維持している方のことをいいます。

任意継続被保険者とは、会社を退職されたときに継続して2ヵ月以上の被保険者期間があったならば、任意継続被保険者として最長2年間はその健康保険を継続することができるようになっています。

国民年金においては、第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の3種類があります。

以上、「健康保険。被保険者と被扶養者、任意継続被保険者の違いとは」でした。