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自動車保険には、特約(オプション)で付ける車両保険があります。
自分の車自体を補償をする特約なので、電柱にぶつけたとか、相手との接触事故でも過失分を補償してくれます。なので、こういうときにはありがたい補償です。

 

しかしながらその分保険料が高くなってしまうところが悩みどころです。
そこで、車両保険の必要性についてメリットとデメリットの両面から検証してみました。

 


 

2017/07/02 13:36:02

車両保険は必要なのか考えてみましょう

先ほども申し上げましたように、自動車保険契約でよく迷うのが車両保険をどうするかです。

 

免許を取ってまもないうちや新車時は、万が一の事故のことを考えて車両保険を付けておく方も多いですが、数年も経過してきますと保険更新時にどうしたらいいのか迷ってしまうとの話はよく聞きます。

 

そこでまずは、車両保険とはどういう保険なのか、この点からあらためてご説明します。

 

車両保険とは

車両保険とは、人を補償するための保険ではなく、車本体を補償していただける保険です。
また、特約(オプション)なので自動車保険に付加するかどうかは自由です。

 

こんなときに補償してくれる

たとえば、民家の塀に車をぶつけて車をへこましてしまったという場合。
塀の修理は、対物賠償保険で補償されますが、自分の車の壊れた部分は車両保険に加入していれば修理をしてくれます。免責を付けていなければ持ち出すお金はありません。

 

相手がいる事故の場合

上記事例は単独での事故でしたが、相手がいる場合は、どうなるでしょうか。
「自分の車の修理費用は相手の自動車保険(対物賠償)から支払われるから車両保険は不要でなないの?」と思われるでしょうが、全額支払ってもらえることはほとんどありません。

 

なぜ?

 

事故は、ほんんどの事例で、「過失割合」が存在しているからです。
交通事故の過失割合とは、相手側と自分の責任の割合をいいます。

 

つまり、過失割合があるとなれば、あなたにも事故が起こった原因の責任があるので、修理費は全額支払ってもらえません。

 

例えば、あなたの過失が4割あるとすれば、相手からの補償は6割しかありませんから、自分の過失分である修理代の4割は自分で支払わないといけません。

 

もしも修理代が100万円なら40万円は持ち出しです。
このようになりますから、車両保険に加入していれば40万円は保険から支払われますので本当に助かります。

 

ところが、保険料のことを考えると痛しかゆしというところがあるので、必要かどうか迷ってしまうわけです。最終的には自分の判断にはなってしまいますが、その判断材料としてさらに車両保険のメリットやデメリットをみてみましょう。

車両保険のメリット

車両保険のメリットです。

 

  • 車を自分で壁にぶつけた
  • 車を電柱にぶつけて凹ませた
  • 自転車にぶつけられた
  • 車同士の事故で破損させた
  • いたずら落書きされた
  • 高速道路走行中に飛び石で窓ガラスにヒビがはいった
  • 洪水で車が流された
  • 車が盗難にあった

主にこのような状況で車両を修理する場合に車両保険が役立ちます。

 

自分でぶつけたという事故では問題ありませんが、相手がいる場合で、相手が任意保険に入っていないときや支払い能力がないときには、支払いを巡って厄介なことになるのは目に見えています。

 

そもそも自動車保険に加入していない方は、回りにそういった人が多いとか、お金が無い、あってももったいないので必要ないなどの考えをお持ちです。また運転に自信があるから、そもそも事故など自分からは起こさないと考えている人が多いのです。

 

ですから、過失があっても自分は悪くないので車両の修理代はびた一文支払う必要がないとごねる人もいるのです。

 

このようなときに車両保険に加入していれば、過失割合に関係なく、先に修理をしてあとは保険会社にまかせることができます。

 

他にも、メリットがあります。

 

自動車をローンで購入している人です。

 

車が全損や分損で修理が必要となってしまった場合に、車両保険に入っていれば、全損であればその車が契約している車両保険価額が支払われたり、分損であれば、修理代がでますので、引き続きローンを支払いながらも車に乗ることは可能です。

 

ところが、車両保険に加入していない場合には、「車には乗れないしローンは残る」「車のローンの他に修理代もローン」となりかねません。

 

全損とは、修理ができないほどの損傷状態や修理代が車両保険金額を上回る場合、あるいは盗難などで車が見つからない場合が該当します。
分損は、修理代が車両保険金額以内で収まることをいいます。

 

 

車両保険のデメリット

車両保険のデメリットといえば、なんといっても保険料の支払いが多くなることにつきます。
車種にもよりますが、外車や高級スポーツカーなどはびっくりするほど高いものもあります。

 

車両保険に加入してる方ならではのデメリットとしては、車両保険を使うとノンフリート等級がダウンすることです。つまり、翌年の保険料がアップしてしまうことです。

 

等級ダウンにも3等級ダウンと1等級ダウンがあります。

 

3等級ダウン事故には、他人の車との衝突事故や自分で電柱や車庫に車をぶつけ車両保険を使ったときです。次年度の契約から3年間は事故有等級として割増引率を適用する期間が続きます。

 

1等級ダウン事故は、車両盗難、落書き、イタズラで窓ガラス破損、台風や洪水などの自然災害などで車両保険を使ったときです。次年度の契約から1年間は事故有等級として割増引率を適用する期間が続きます。

 

ですから、修理代がたいして掛からないものは、車両保険を使わないで自腹で支払ったほうが得になることもあります。

 

車両保険に入っているのに使わないほうが得だなんておかしな話です。

車両保険に入らいない理由

車両保険が必要とは思うが、「毎日クルマに乗るわけではないので」「少しくらいの修理代なら自腹で修理する」「なるべく自動車保険料を削りたいから」というようなことで契約しないのが理由としてあります。

 

この点は「医療保険」や「ガン保険」を契約しない理由に似ています。

 

医療保険に加入しなくても、医療費や差額ベッド代などは自腹で支払えばいいと思っている方は車両保険と同じように契約しません。

 

そのような方の中でも、安ければ車両保険をと考えているならば、免責金額を高くして加入するという方法が考えられますので、それで見積もりをしてもらい検討するということをお勧めいたします。

 

見積もりについては、こちらの自動車保険の見直しで原付バイク1台が買える?をご覧ください。
車両保険の免責金額についてはこちらのページをご覧ください

個人的な意見

個人的には、車両保険は、免許を取ってまもないうちは、必要かなと考えています。
しかし、運転歴が5年も経過すれば、ほとんど単独でガードレールにこするなど無くなってきますから不要と判断しています。

 

筆者は、運転歴30年以上ありますが、ぶつけて修理したのは一度だけです。朝方に路面が凍結していたための単独事故です。気がついたときには滑ってしまいどうすることもできず車の側面から壁に激突。

 

このときは車両保険に入っていなかったので自腹で修理しました。
そのため、その後から車両保険を掛けているつもり貯金を始めました。すでに年数もだいぶ経過したのでだいぶ貯まったので車両保険は不要となりました。

 

ちなみにソニー損保のホームページに掲載されている数字を見ますと、車両保険に契約している方は、2016年7月末時点では51.8%となっています。あなたはこの数字を見てどのように考えますか。

 

以上です。

 

驚くことに自動車保険契約率52%という県もありますのでご覧ください。 → 自動車保険の契約率をご覧ください。

 

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