このページは、自動車保険には等級があります。それによって割引率が違ってきますのでその点について解説します。

 

2015/07/28 11:08:28

まずは、自動車保険の等級について

自動車保険の保険料は等級によって違ってきます。いくら運転が上手でも車を購入して初めて自動車保険に入るとなると、通常は6等級から始まります。ですので、同条件であるならば、8等級でいくら運転が下手という方であっても保険料では勝てません。自動車保険とはこのような仕組になっていますから、運転技術の良し悪しだけではいかんともしがたいのです。

 

この仕組が「等級制度」ということになります。

 

この等級制度をもう少し詳しく解説しますと以下のようになります。

 

自動車保険の等級とは、正式には「ノンフリート等級」といいます。そしてこの制度をノンフリート等級制度といいます。
ノンフリート等級とは、所有かつ使用する車が9台以下の車に適用するもので、その契約者をノンフリート契約者といい、適用する割引、あるいは割増の等級を「ノンフリート等級」といいます。ちなみに10台以上の場合をフリート契約といいます。

 

等級はいつ上がるの?

冒頭でも書きましたが、初めて自動車保険に入るとなると、通常は6等級から始まります。
そして、1年が経過し、自動車保険の更新をすると等級がひとつ上がり、保険料の割引率がアップします。
等級アップにより、割引率も上がるということです。

 

その翌年も更新を迎えるとまたひとつ等級がアップしていきます。つまり、毎年1等級ずつ上がっていくことになります。
そうして、最終的には20等級が限度となり、割引率も最大になります。

 

このように、初めての自動車保険の更新から、14年間かけて、やっと20等級にたどりつくことになります。

 

しかしながら、上記の文章には抜けている言葉があります。
それは、「1年が経過し・・・」というところです。ここに、「無事故で」という言葉が入ります。

 

つまり、1年間を経過しただけでは該当せず、無事故で更新を迎えた場合に1等級アップするのです。
無事故でなかった場合、つまり保険を使った場合には、等級ダウンといって、下がってしまうのです。
等級ダウンには、使った保険の内容によって、1等級ダウンと3等級ダウンというように分けられています。
1等級ダウンと3等級ダウンの事故内容解説についてはこちらのページをご覧ください。

 

ですから、4年間かけて10等級まできたのに、3等級に該当する事故を起こして保険を使ったとなると、一気に7等級にダウンしてしまうことになります。ダウンしたということは自動車保険料が前年度よりも上がってしまうことになります。さらには、同じ7等級でも6等級から上がってきた7等級の方と、10等級からダウンしてきた方との割引率は違っているのです。ですから同じ等級でも「事故なし」と「事故あり」の割引率が存在していて、それぞれ適用されるようになっているのです。

 

では、等級によって割引率はどう違っているのか、また同じ等級でも事故ありと事故なしではどう違うのかについて説明したのが次の項目になります。

自動車保険の等級割引率について

自動車保険は等級によって割引率が違い、同じ等級でも事故なしと事故ありでは割引率が違うという説明を前項目でしました。しかしながら、等級によっては、割り引きだけでなく、割増もあるのです。

 

では、まず「割増」からご説明します。

 

等級別割増について

割増は1~3等級に該当する方です。
たとえば、初めて自動車保険に契約した6等級の方が、更新前に3等級ダウンの事故を起こし保険を使った場合には次回の更新は3等級になりますので、今度は割引ではなく割増になってしまいます。

 

このような場合には、以下の流れをたどることになります。
6等級(割引)→3等級(割増)→4等級(割増)→5等級(割増)→6等級(割引)・・・

 

以下は1等級から3等級のと割増率を表示しています。

  • 1等級:64%割増
  • 2等級:28%割増
  • 3等級:12%割増

 

等級別割引について

割り引きは4等級からになります。
下記は、保険が始まる日(始期日)が平成27年10月1日以降の割引率です。
7等級からは、事故なしの割引率と事故有の割引率があるため、それぞれが適用されます。

 

4等級:2% ← 事故ありも同じ割引率
5等級:13% ← 事故ありも同じ割引率
6等級:19% ← 事故ありも同じ割引率

 

左側の数字(%)は事故なしの場合、右側の数字(%)は事故有適用の場合です。
7等級:30% 20%
8等級:40% 21%
9等級:43% 22%
10等級:45% 23%
11等級:47% 25%
12等級:48% 27%
13等級:49% 29%
14等級:50% 31%
15等級:51% 33%
16等級:52% 36%
17等級:53% 38%
18等級:54% 40%
19等級:55% 42%
20等級:63% 44%

 

例えば、20等級の方が、3等級のダウン事故を1件起こした場合には、以下のような流れをたどります。
20等級→17等級(38%)→18等級(40%)→19等級(42%)→20等級(63%)
17等級から19等級まで3年間は事故有の割引率が適用されることになります。

 

では、20等級の方が、3等級のダウン事故を1件起こし、17等級になりました。そこでさらに3等級の事故を起こした場合はどうなるのか。この場合は、以下のような流れをたどります。

 

20等級→17等級(38%)→14等級(31%)→15等級(33%)→16等級(36%)→17等級(38%)→18等級(40%)→19等級(55%)
この場合は、事故有適用期間が6年間になりますので、19等級から無事故割引が適用されます。

 

 

自動車共済(全労済)の等級割引について

全労済は、自動車保険と等級の内容や割引率がだいぶ異なっています。
自動車保険の等級制度では、1等級から20等級までとなっていますが、全労済は1等級から22等級まであり、割引率は最高64%となっています。割増については、6等級まで割増扱いとなっています。

 

また、全労済の場合は、1等級には1-1から1-5まで5つに区分されています。
これは、1-1等級の方が、3等級の事故を起こすと更新時には1-4等級になるという解釈になります。

 

自動車保険と全労済のもっとも大きな違い

自動車保険は、事故を起こしたときに事故有割引の適用が最短で1年、最大6年間適用されるという解説を前項目でしましたが、全労済では2015年7月現在においては、事故有適用という制度はありません。

 

つまり、20等級の方が3等級ダウンの事故を起こした場合に17等級には下がりますが、下記のように62%の割引が適用されることになります。自動車保険であれば事故有の38%割引になってしまうわけですから、この差は大きいと言えます。

 

以下は全労済の割増引率です。1等級から6等級までは割増になり、7等級から22等級まで割引が適用になります。

 

自動車共済(全労済)の等級別割増引率

平成27年7月現在の割増引率です。

 

等級

 

 

 

 

 

1-5 1-4 1-3 1-2 1-1          

割増率

120% 110% 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30%※

割増

※6等級の割増では、21歳以上補償にすると、10%割増が適用されます。

 

等級

10

11

12

13

割引率

16% 27% 38% 40% 45% 50% 52%

割引

等級

14

15

16

17

18

19

20

21

22

割引率

55% 58% 60% 62% 62% 62% 64% 64% 64%

割引

まとめ

自動車保険や共済にはノンフリート等級という制度があり、その等級によって保険料の割増引率が決まります。
自動車保険では、最高等級が20等級となり、割引率は63%でとなります。一方、事故有適用共済である全労済では、最高等級が22等級まであり、64%の割引率となっています。

 

2015年7月現在において全労済は、事故有の割引率制度がないので、事故を起こした場合に等級は下がりますが、事故有適用の割引が適用されません。ここが自動車保険との大きな違いになっています。

 

つまり、事故を起こして等級が下がっても、無事故割引の方と同じ割引率が適用されるということになります。
自動車保険では、3等級の事故を起こした場合には、最低3年間は事故有の割引率が適用になりますから、大きな違いです。以上、「自動車保険の等級割引率と共済との違いについて」の解説でした。

 

該当カテゴリー:自動車保険
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