夫婦共働きでも住宅ローンの返済が滞ってしまう。
こういったときには、通常は、出費抑える、または副業などをして収入を得るしか解決法はありません。
しかしながら副業で収入を得るといっても、そうたやすく収入に結びつかないのも事実です。
そこで当初は住宅ローン返済は、預貯金があれば、それを取り崩すことでしのぎますが、そこには限界があります。
次に考えられるのが、任意売却以外では、年齢条件等が合えば家を担保に利息だけを返済していくリバースモーゲージがあります。
また、それ以外のサービスとして家を売却して現金を手にして、その家に住み続けることができる「ハウス・リースバック」もあります。それでは、これらはどのようなサービスなのか、また、どういった違いがあるのかについて解説します。
2016/07/20 11:50:20
ハウス・リースバックとは?
ハウス・リースバックとは、所有している家をあらかじめ住む期間を取り決めて「ハウス・ドゥ」とリース契約を結び、リース料を払いながら今迄と同様に住むことができるサービスです。
そのため資金を一括して現金で手に入れることができます。
契約内容としては、当初は3年間の定期賃貸借契約を締結しますが、その後そのまま住み続けたい場合は再契約を締結します。その結果20年でも30年でも住み続けることができます。
一方、将来的には住んでいたままその家を再び購入することも可能なのがハウス・リースバックです。
ハウス・リースバックはどのような活用の仕方があるの?
ハウス・リースバックは、今の家に住んだまま現金を一括手にすることができます。そこで以下のような活用の仕方が考えられます。
- 年金の不足を補う
- 介護資金の捻出
- こどもの教育費の捻出
- 住宅ローン以外の借入金の返済に回す
- 現金を得ることで相続対策・代償分割としての活用
- 事業資金として活用
ハウス・リースバックのメリットとは?
以下のようなメリットがあります。
- 買取代金は一括して払われる
- 現金化までの期間は標準40日、最短で20日
- 引っ越しをしなくてすむ
- 売却のことが他人に知られずにすむ
- 生活パターンを変えなくてすむ
- 子どもの学区が変わることがない
- 売却資金は何に使ってもよい
- 将来的に再度購入する事が可能
- 買い替えとは違い仮住まいを用意する必要がない
- 引越し費用や保証人が不要
- 固定資産税が不要になる
- 住宅ローンの毎月返済額よりもリース料のほうが安くなる場合もある
ハウス・リースバックのデメリットとは?
ハウス・リースバックにもデメリットはあります。
1)住宅ローンが残っている方は、残債額以上に住宅の売却予定額が多くないとリースバックは難しい。例えば、住宅ローンが2,000万円残っていて、住宅の売却額が1,500万円のような場合(オーバーローン)は住宅ローンを貸している銀行(債権者)は許可(抵当権の解除)をだしませんので売却ができません。
逆に住宅ローンの残債額よりも売却額が多くなり、金利が高いままの住宅ローンなら毎月の住宅ローン返済額よりもリース料が少なくなることもあります。
いずれにしましても住宅ローンがある方は、ローンの残債金額や物件の評価金額など、個々の状況により異なりますので、詳しくはハウスドゥのホームページをご覧ください。
2)家を手放さないですむ代わりに毎月のリース料が周辺の賃料よりも高くなる場合があります。
毎月のリース料は、売却額の8~10%です。ですから売却額が高くなるほどリース料も高くなります。もしも2,000万円で売却をしたならば、年間160万円~200万円のリース料になります。
月々では13.3万円~16.6万円ほどになります。この金額が周辺の賃貸マンションの賃料よりも高くなることもあります。
3)買い取り価格の目安は市場の7割程度とされ、最低ラインが500万円程度となっています。
4)将来買戻しはできるが、売却時の1割から2割の割増をする必要がある。契約開始から6か月間は買い戻しができません。
リバースモーゲージとハウス・リースバックがどう違う?
ハウス・リースバックのように資金を得る手段とは違い、住まいを担保にして金融機関から借り入れる「リバースモーゲージ」があります。
どちらも資金を手にすることができる点では同じですが、仕組みは異なっていますのでその違いをまとめてみました。
リバースモーゲージの詳細についてはリバースモーゲージの仕組みとは?メリットとデメリットは何があるの?をご覧ください。
リバースモーゲージとリースバックの仕組みの違い
リバースモーゲージは、所有している不動産を担保に銀行からお金を借り、利息だけを返済していくものです。
元金は、契約者、もしくは契約者本人並びに配偶者が亡くなった時点、転居等により自宅に住まなくなったときに清算をします。
一方のハウス・リースバックは、銀行からの融資ではなく、自宅をハウスドゥに売却して資金を得る方法です。また融資ではないため返済利息は必要ありません。その後は毎月リース料を支払うことでそこに住むことができる仕組みになっています。
比較項目 |
ハウス・リースバック |
リバースモーゲージ |
---|---|---|
所有権 |
ハウスドゥ |
所有者 |
資金のつかいみち |
自由 |
老後資金や自宅リフォーム、介護施設等への入居費用。事業資金や投機資金には利用できない。 |
年齢条件 |
年齢条件はなし |
55歳以上とする銀行が多い |
収入条件 |
年収の条件はない |
年収条件がある銀行もある |
保証人 |
不要 |
金融機関による |
対象者 |
個人・法人 |
個人 |
対象物件 |
制限はない。マンションや工場、事務所も可 |
土地付き建物(マンションは対象にならない場合がある) |
買い取り価格の目安とリース料金
デメリットにも書きましたが、買い取り価格の目安は市場の7割程度とされ、最低ラインが500万円程度になります。
家賃となる年間リース料は、買い取り価格の8~10%程度です。買い取り価格は一括で支払われますが、全額必要としない方は、一部を受取って、残りを保証金とすることもできます。そうすることで、年間リース料は保証金を除いた受取金額を基準として算出されるため、月額リース料を抑えることができます。
まとめ
ハウス・リースバックとは、所有している家をあらかじめ住む期間を取り決めてハウスドゥとリース契約を結び、今迄と同様に住むことができるシステムを言います。
ハウス・リースバックのメリットとして、以下のものがあります。
- 買取代金は一括して払われる
- 現金化までの期間は標準40日、最短で20日
- 引っ越しをしなくても資金の確保ができる
- 売却のことが他人に知られずにすむ
- 子どもの学区が変わることがない
- 売却資金は何に使ってもよい
- 将来的に再度購入する事が可能
- 買い替えとは違い仮住まいを用意する必要がない
- 引越し費用や保証人が不要
- 固定資産税が不要になる
デメリットとしては、住宅ローンが残っている方は、残債額以上に住宅の売却予定額が多くないとリースバックは難しい。家を手放さないですむ代わりに毎月のリース料が周辺の賃料よりも高くなる場合がある。買い取り価格の目安は市場の7割程度とされ、最低ラインが500万円程度となっている。将来買戻しはできるが、売却時の1割から2割の割増をする必要がある
ハウス・リースバックのように資金を得る手段として「リバースモーゲージ」があります。どちらも資金を手にすることができる点では同じですが、仕組みが異なっています。
リバースモーゲージは、所有している不動産を担保に銀行からお金を借り、利息だけを返済していくものです。元金は、契約者、もしくは契約者本人並びに配偶者が亡くなった時点、転居等により自宅に住まなくなったときに清算をする仕組みになっています。
以上、「ハウス・リースバックのメリットとデメリットは何なのか」でした。