確定拠出年金の改正で主婦や公務員も対象になります

2017年1月から確定拠出年金制度の法改正につより内容が変わってきますので、この点について解説しています
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2016年5月24日に確定拠出年金改正法が衆院本会議で成立、可決しましたので、2017年1月から確定拠出年金制度の改正が行われることになりました。これにより今まで加入できなかった公務員や家庭の主婦が加入できるようになりました。 これらの点も含めた改正内容と確定拠出年金はなぜ加入者が伸び悩んできたのかについて考察してみましたのでご覧ください。

 

 

2015/05/31 16:05:31

改正が行われた確定拠出年金

確定拠出年金は、401kとも言われ、企業型と個人型のふたつがあります。どちらも運用成績しだいでもらえる年金額が変わります。※確定給付型企業年金とは違いますのでご注意ください。
税制上の優遇措置として、企業型は会社は損金扱いができ、個人型は掛金全額が所得控除の対象になります。
このような特長が確定拠出年金ですが、専業主婦や公務員、勤め先に企業年金がある会社員は確定拠出年金には加入できませんでした。

 

それが改正され、公務員(第2号被保険者)と専業主婦・パートタイマー(第3号被保険者)、勤め先に企業年金があって企業型確定拠出年金が導入されていない社員ができるようになったのが2017年1月1日です。

 

では、いったいどのくらいの人が加入できるようになったのかといいますと、専業主婦は約900万人、公務員は約440万人、勤め先に企業年金がある会社員1300万人です。
合計で約2700万人にもなります。これは公的年金加入者全体で約6700万人いますから、その約40%もの人が該当してきます。実際どれだけの方が加入するかわかりませんが、数字上はインパクトはとても大きいものがあります。

 

公務員はいくらまで積立できるようになる?

個人型に拠出できる金額は、専業主婦やパートの方は年額27万6千円、公務員と勤め先に企業年金があって企業型確定拠出年金が導入されていない社員は年額14万4千円を上限に拠出できるようになります。

 

※ 後の項目で説明していますが、月額ではなく年額で上限額としている点がポイントです。

 

他の改正点

公務員や主婦が拠出できるようになることは大きなインパクトがありますが、他にも改正点がありましたのでご紹介します。

 

拠出限度額は月単位から年単位に変更

以前は月単位で拠出額が定められていましたが、2017年1月からは、年単位になります。ただし、平成29年12月までは毎月のみの取り扱いとなっています。

 

月額を12倍すれば年額になるので拠出額限度額は同じになるため、メリットはなさそうですが、「年1回以上定期的に拠出」すればよいことになりますから次のようなことができるようになります。

 

たとえば今まで月2.3万円まで拠出枠があるのに、月1万円拠出していた方などは、毎月1.3万円があまっていたことになります。この残り枠をボーナスなどのときにまとめて拠出して埋め合わせできるので、使い残しをなくすこともできるようになります。

 

簡易型DC(簡易企業型年金)制度の創設

現状では、大手企業では確定拠出年金の導入はすすんでいますが、ほとんど中小企業では導入がすすんでいません。

 

掛金の拠出や事務作業の負担があるからというのが理由です。その点をかんがみて掛金上限を5,000円までとしたり、事務作業を金融機関に委託できるように「簡易型DC(簡易企業型年金)制度」が創設される予定です。

 

小規模事業主掛金納付制度の創設

平成30年1月からですが、小規模事業主掛金納付制度の創設されます。
この制度は、企業年金のない企業で従業員数が100人以下の厚生年金適用事業所の事業主が個人型確定拠出に加入している従業員に対して年1回以上定期的に追加拠出できる制度です。
確定拠出年金を使った従業員に対しての福利厚生的な制度というところでしょうか。

 

ポータビリティーの拡充もされます

ポータビリティーとは、持ち運びのことです。
定年退職まで一度も転職をしなければポータビリティーは関係ありませんが、転職や失業をしたときに持ち運びができなくては続けることができません。

 

たとえば、現状では、企業型確定拠出年金に加入している60歳前の方が転職をし、転職先が確定給付企業年金ならば、資産を移換することはできません。それが改正により、下記のような移しかえができるようになりました。

 

※ 下記表では、確定拠出年金をDCとして表記しています。

 

 

 

 

 

移管先の制度

企業型DC

個人型DC

確定給付企業年金

 

移管前に加入していた制度

 

企業型DC

個人型DC

確定給付企業年金

 

※ 企業型DCから中小企業退職金共済へも移換できるようになりますが、合併や会社分割などの理由に限りできるようになります。

 

ポータビリティーのおさらい

改正後は、確定給付の企業年金に加入していた方が転職し、転職先の会社が企業型確定拠出年金でも非課税で脱退一時金相当額を移すことができます。勤続年数や加入期間は通算することができます。

 

もしも転職先の会社が企業型も確定給付型も導入していなくても個人型には移せますので掛金を追加していくことが可能になります。こちらも勤続年数や加入期間は通算することができます。

 

また、企業型確定拠出年金に加入していた方が退職して専業主婦になっても、個人型に移して掛金を拠出して続けることができます。

 

個人型確定拠出年金(個人型DC)の解約についての改正

個人型DCは、解約(脱退)して一時金で受取ることはできますが、たくさんある条件に合致していないと認められません。この点が改正によりさらに厳格化されます。

 

【現行の条件】

  • 60歳未満であること
  • 障害給付金の受給権者でない
  • 通算拠出期間1月以上3年以下
  • または個人別管理資産額が50万円以下
  • 資格喪失日から起算して2年を経過していない
  • 企業型DCの脱退一時金の支給を受けていない
  • 企業型DC加入者でない
  • 個人型DC加入者となる資格がない

 

【改正後】
(1)以下①~⑤の要件をすべて満たす場合
①国民年金保険料の納付を免除されていること(※)
②確定拠出年金の障害給付金の受給権者ではないこと
③通算拠出期間が3年以下(注1)、又は個人別管理資産が25万円以下であること
④最後に企業型年金又は個人型年金の資格を喪失した日から2年以内であること
⑤企業型年金の加入者資格喪失時に脱退一時金を受給していないこと
※障害基礎年金裁定通知を受けた者及び国民年金法第89条第3号の施設に入所しているものは除きます。

 

このように改正後はさらに厳しくなるので、ほとんどの方は途中で解約はできないと思ったほうがいいです。なので加入には尻込みしてしまいがちですが、かえって解約できないので散財癖のある人は老後の年金づくりとしてはかえっていいのかもしれません。

 

その中でも運用で損はしたくないと思っている人は、SBI証券の個人型DCなら元本確保の「定期預金・スルガ確定拠出年金スーパー定期1年」や5年の年金積立保険もあるので運用でマイナスになって嫌な気分を味わうなんてないから、銀行の積立定期感覚で所得控除が使えると思えば、低金利の個人年金よりもよっぽどいいと思います。
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途中で掛金がたいへんになったら解約ではなく、あらたに掛金を拠出しないで今までの資産だけで運用だけすることもできます。こういった方を「運用指図者」といいます。

 

でもこれだと、毎月口座管理手数料等が引かれてしまうために元本確保型では目減りをします。そこで、減額により月額5千円までにできますから、この金額が支払えそうなら解約についてはさほど気にする必要はないかと思います。

 

確定拠出年金個人型の加入者数はどれだけいるの?

確定拠出年金個人型の加入者は、どのくらいの人数がいるのか調べてみました。
加入できる資格者は自営業者が1,800万人、企業年金がない会社員は2,200万人、合計4,000万人もいますが、とても加入率は少ないのが現状です。

 

厚生労働省のホームページでは以下のような数字になっています。
確定拠出年金個人型年金の加入者等(平成27年1月末現在)

 

  • 第1号加入者(自営業者やその家族) 62,028名
  • 第2号加入者(60歳未満の厚生年金保険の被保険者)146,481名

計208,059名(資格喪失者を除く)

 

確定拠出年金個人型の加入資格者は4,000万人もいますが、加入者は約21万人しかいないのです。
今後は改正により、公務員やパート社員などが加入されるはずですので増えていくはずです。
では、今まではなぜ加入者は伸び悩んでいたのでしょうか。その理由については次の項目をご覧ください。

確定拠出年金個人型の加入者が伸びない原因

確定拠出年金個人型の加入が伸びていない理由は2つほどあります。
ひとつは、すでに自営業者や中小企業には、国民年金基金、小規模企業共済や中小企業退職金制度(中退共)があります。

 

  • 小規模企業共済:小規模企業の個人事業主が事業を廃止した場合や会社等の役員が役員を退職したときのための退職金制度です。
  • 中小企業退職金制度:中小企業に勤めている従業員のための退職金制度です。

小規模企業共済や中小企業退職金制度は、従業員が各個人で拠出して積立をする制度ではありませんが、所得が伸びない中、各個人で拠出してまで老後のための確定拠出年金まで手が回らないというのが実情だと思います。

 

その点に加えてふたつ目は、ほとんどの人が確定拠出年金個人型のことを知らない点があげられます。そのためメリットを理解していません。
この点は、家庭の主婦(国民年金第3号被保険者)や公務員等が加入できなかったことにより情報が拡散されなかったこと。また、販売する側である金融機関窓口や保険会社の募集人は、確定拠出年金個人型を販売するよりも保険商品の販売に力を入れたほうがメリットがあります。そのため加入者が伸びなかったと思われます。

 

各退職金制度の加入者数

国民年金基金、小規模企業共済や中小企業退職金制度(中退共)の加入者数をご紹介します。

 

  • 国民年金基金加入者数:481,316人(平成25年度末)
  • 小規模企業共済加入者数:122.5万人(全小規模企業者の約4割が加入) (平成25年12月末現在)
  • 中小企業退職金共済:平成27年1月末現在における在籍状況は、共済契約者数(事業所) 362,443所、被共済者数 3,284,964人(平成27年1月事業概況より)

確定拠出年金は改正でどうなるかのまとめ

確定拠出年金を勧める側の金融機関からみれば、やはり専業主婦よりも公務員がターゲットになると予想されます。

 

専業主婦では、確定拠出年金のうまみである所得控除が使えませんが、公務員においては、所得控除を毎年使いながらあらたに老後の資金準備ができるというメリットがあるからです。

 

現状では、所得控除には、地震保険料控除は最高5万円、生命保険や個人年金控除、介護医療保険料控除できる場合は最大14万円、それらに加えて確定拠出年金の控除専業主婦やパートの方の控除額は最高で年額27万6千円、公務員は14万4000円が使えるというのはとても大きいです。

 

運用で損をしたくないという方は、金融機関の提供商品にもよりますが、元本割れのないものもありますので、最低でも税金控除のうまみは確保できます。

 

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もちろん、確定拠出年金にもデメリットもありますので、よく検討してからご加入ください。
以上、「2017年の改正から確定拠出年金が大きくかわる」でした。

 

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