確定拠出年金個人型をはじめるにあたって悩むのが金融機関の選択です。金融機関の選択は、こちらのおすすめの金融機関の記事をご覧いただければと思いますが、次に悩むのが資産配分やポートフォリオではないでしょうか。運営管理機関に聞いても、運用商品の推奨は不可とされているため提案はしてもらえません。そこで、資産配分やポートフォリオについておすすめの考え方について紹介します。

資産配分は、アセットアロケーションともいい、定期預金や日本株式、国内債券、海外株式、海外債券などへのおおまかな配分をいいます。ポートフォリオとは、その中にある金融商品の組み合わせのことをいいます。

 

2016/09/09 07:19:09

確定拠出年金の資産配分(アセットアロケーション)について

確定拠出年金は、商品構成を大きく分けると、元本確保型と元本変動型になります。元本確保型には、「定期預金」や「個人年金」があります。

 

元本変動型は、「国内株式」「国内債券」「外国株式」「外国債券」「不動産(リート)」などの商品グループがあります。これらのグループにどのくらい配分するのかをアセットアロケーションといいます。一度決めても配分変更やスイッチングは可能ですが、主に以下のことが基本として考えられます。(個人的見解も含めていますので参考程度にとどめてください)

 

確定拠出年金の運用に対して重要視する点を考える

確定拠出年金であっても、元本をへこませたくない考えの人もいますから、運用にあたり何を重要視するのかを考えます。運用に対しての考え方は、次のように分類できます。

  • 元本は割り込ませたくない
  • 安定性を優先させリターンはさほど望まない
  • 元本は多少割ってもリターンを求めたい
  • 高いリターンを求めるので元本のことは気にしない

元本は割り込ませたくないのであれば、資産配分は元本確保型の定期預金や個人年金になるので、答えはすぐにでますが、そうでない方は、自分はどの選択が性に合っているのか考えた上で、後の項目の方法を用いれば具体的な配分がわかります。

 

60歳までの運用年数を考慮する

投資信託で積立を行う場合には年齢制限はありませんが、確定拠出年金では、掛金が拠出できるのは60歳までです。ここまでが実質的な運用期間です。加入者によって加入年齢は異なってきますから運用期間は人それぞれです。たとえば、30歳の方なら30年間が運用期間です。40歳ならば20年です。51歳以上の方は、10年ありません。

 

若い方で運用期間が長い方は、元本は割り込ませたくないという考えでもなければリスクの高い配分にかたよらせてもドルコスト平均法によりリスクは平準化されるので問題ないかと思います。

 

たとえば30歳の方なら60歳まで30年あります。毎月積み立てならば価格への影響は全体の360分の1(12ヵ月×30年)です。しかし、50歳代で始めるとなると運用期間が短くなるので、毎月の積立は全体の価格への影響が大きくなってくることを理解しておきましょう。

 

確定拠出年金の受取開始年齢と運用の関係

確定拠出年金は、60歳から年金として受取ることができますから、そこまでが実質的な運用期間になります。しかしながら特に60歳で受け取らなくてはいけないものではありません。加入期間が10年以上ある方は、60歳以上70歳未満までとなっているので、60歳以上も運用は可能なのです。
※加入期間が10年ない方は、年金受取開始年齢が加入年数に応じて、61歳(8年以上)、62歳(6年以上)、63歳(4年以上)、64歳(2年以上)、65歳(1ヵ月以上)となります。

 

ただし掛金の拠出できませんので、今まで貯めてきた資産を運用することになります。つまり、60歳以降はドルコスト平均法が使えなくなります。

ドルコスト平均法とは?

毎月一定の金額で商品を購入し運用していく方法です。これにより価格が高い時は少ない量の購入となり、逆に価格が安くなった時は多く買えるため、購入価格は平準化されます。

 

商品バランスを考える

ひとつの元本変動型の運用商品に100%集中して投資をしてしまうとリスクが高くなりすぎます。ひとつのかごにたくさんの卵を盛って落としてしまえばすべての卵が割れてしまうからです。いくつかのかごに卵を分散しておけば仮にひとつのかごを落としても他の卵は守られます。このような格言のように分散は大事かと思います。

 

確定拠出年金の分散としては、日本株、世界株、国内債券、世界債権、国内リート、海外リートなどに分散ができます。

 

投資信託のポートフォリオのシミュレーションを使って応用する

上記のことを基本にして、確定拠出年金の資産配分は自分で考えることもできますが、自信のない方やしっくりこない方はモーニングスターのような投資信託のポートフォリオ・シミュレーションを利用しての応用やSBI証券の投資信託組み合わせ選択ガイドを利用すれば、どのような組合せをしたらいいのか参考にできます。

 

三菱UFJ国際投信が開設しているポートスター(PORTSTAR)では、どうのような商品を選択したらいいのかロボットがアドバイスしてくれます。

 

また、楽天のロボ・アドバイザーなどを使っても応用はできます。

 

資産配分のシミュレーションの例

上記のモーニングスターのシミュレーションを使って、「毎月2万円を20年拠出して60歳時点で600万円の資産にしたい」でシミュレーションをしてみました。この場合の元本は、2万円×240ヵ月で480万円ですが、600万円にするには年2.2%の運用が必要で下記のような判定がでました。

  • 国内株式5%、1,000円
  • 先進国株式15%、3,000円
  • 新興国株式10%、2,000円
  • 先進国債権50%、10,000円
  • 新興国債権20%、4,000円

合計100%、20,000円

 

800万円にしたい場合は年4.8%が必要です。ポートフォリオは、次のようになりました。

  • 国内株式10%、2,000円
  • 先進国株式30%、6,000円
  • 新興国株式10%、2,000円
  • 先進国債権30%、6,000円
  • 新興国債権20%、4,000円

合計100%、20,000円

 

上記のポートフォリオを応用

 


上記の分類から商品を決めるのが、商品の組み立て(ポートフォリオ)になります。これを応用して確定拠出年金の商品にあてはめます。

 

たとえば、SBI証券の個人型確定拠出年金でいえば、国内株式には下記のものが用意されていますからこの中から選択します。

  1. ニッセイ日経225インデックスファンド
  2. 朝日ライフ 日経平均ファンド
  3. 日経225ノーロードオープン
  4. BI TOPIX100・インデックスファンド<DC年金>
  5. MHAM TOPIXオープン
  6. 野村DC・JPX日経400ファンド
  7. 三井住友・バリュー株式年金ファンド、
  8. DCグッドカンパニー(社会的責任投資)
  9. フィデリティ・日本成長株・ファンド
  10. SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ<DC年金>

次に同じように先進国株式はDC外国株式インデックスファンド、新興国株式はEXE-i 新興国株式ファンド、新興国債権は何々というように選択していけば、シミュレーション配分に沿った形にすることができます。

 

SBI証券の確定拠出年金個人型の元本変動型は46本あるので、こういった組み合わせもできます。
商品の確認はSBI証券 確定拠出年金積立プラン(個人型401K)からできます。

 

ただし、他の金融機関の確定拠出年金では商品数が少ないところのほうが多いので、この方法は使えません。
その場合には、バランス型といって、国内株式、海外株式、国内債券、海外債券の4つの資産がパッケージになっている商品もありますので、こちらを選択することで似たような形にすることはできます。

資産残高が増えてきたら

年数が経過してくると資産残高が増えてきますので、家計全体の金融資産に占める割合がどのくらいになっているのか把握しておく必要があります。

 

もしも金融資産全体に占める割合のうち、確定拠出年金の残高割合が高くなっているようでしたら、積極的運用は控えめにするよう配分変更やスイッチングをしてバランスを替えることも必要です。

配分変更とは、運用商品の比率の変更をいいます。スイッチングとは現在持っている運用商品を売却して、他の運用商品に買い換えることをいいます。

 

 

まとめ

確定拠出年金の資産配分やポートフォリオの基本は、運用に対して何を重要視する点があります。
元本をへこませたくない考えの人や積極的に運用したいなど、人それぞれですから、自分の性に合った考えを基本にすることが大切です。

 

次に、運用年数です。運用年数が長ければ、毎月の投資なのでドルコスト平均法により、積極的な運用でもリスクの低減はできますが、短いとそうはいきません。

 

これらを踏まえたうえで、投資信託のポートフォリオのシミュレーションを使って応用する方法も紹介しました。
以上、確定拠出年金の資産配分やポートフォリオのおすすめの方法でした。
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