前回、マンション購入で知っておきたい8つの注意点の記事についての解説に続いての第2弾です。

 

2017/01/04 14:01:04

マンションには専有部分と共有部分がある

マンションを買う前に知っておきたい知識のひとつに「専有部分と共有部分」があります。

専有部分とは、自己所有の部分=自分の部屋といえばわかりやすいと思いますが、それ以外の部分は共有部分になります。専有部分は自分勝手に変更できますが、共有部分については勝手に変更できません。

具体的に共有部分とは、基礎、柱、カベなどの構造躯体(こうぞうくたい)、玄関ホール、廊下、階段、エレベーターホール、集合郵便受箱、防犯カメラ、ガス配管設備など、さらに、バルコニーやベランダも共有部分に入ります。

バルコニーやベランダなどは部屋と隣接しているため自分のものと考えがちですが、違いますのでご注意ください。

これら共有部分の清掃やエレバーターの電気代、点検などは管理会社が行いますが、支払は管理費があてられます。外壁工事や屋上の防水工事、地震等で大きく壊れた共有部分の修理には地震保険に加入していなけば修繕積立金が使われます。毎月支払う管理費と修繕積立金はこのように使われます。

専有部分、共有部分の区分についての法律等

専有部分、共有部分ともに区分所有法による区分で基本が定められています。また標準管理規約による区分で指針が定められています。

区分所有法とは、正式名称は、建物の区分所有等に関する法律といいます。建物の区分所有、共有部分、敷地利用権、管理者などについてルールを定めています。

標準管理規約とは、国土交通省がマンションの住民が快適な生活をおくることができるように作成した標準的な規約=モデル例です。標準管理規約は、マンションの憲法ともいうべきものになりますから、変更するには特別決議(特に重要な事項)になりますので、区分所有者数および議決権数の4分の3以上の賛成が必要になります。マンション標準管理規約(単棟型)最終改正 平成28年3月14日

マンション管理の指針については国土交通省のサイトをご覧ください。

専有部分と誤解されやすい共有部分

次のものは、部屋の中にあったり、部屋と密着しているため専有部分と思われがちですが、専用使用権が認められた共有部分になります。

・窓枠
・窓ガラス
・玄関ドア枠
・玄関ドア(表側)
・建具金物
・網戸
・雨戸

ただし、窓ガラスを割ってしまった、網戸を破ってしまった、あるいは不具合が生じたときの費用は個人が負担することになります。玄関扉の錠の差し込み穴の不具合についても各個人の負担になります。バルコニーは共有部分になり、管理組合の負担になります。

マンションと管理会社の関係

共有部分の清掃やエレバーターの電気代、点検などは、管理会社が行います。この管理会社はたいていマンションを分譲したデベロッパーのグループ会社になっています。

なぜかといいますと、こうすることで、毎月の管理費や大規模修繕工事を受注する際の利益はグループ会社で受取ることができるようになるからです。

初めての大規模修繕工事は概ね12~13年目になりますが、当然それ以降も行われます。しかも建築年数が経てば経つほど費用はかさむようになりますし、行う間隔もせばまってきますから段々と儲けるチャンスは増えてくることになります。

実際にその工事も管理会社で行えばいいですが、たいていは親会社等に右から左に流すだけの外注になります。当然この分が割高になります。

そこで考えなくてはいけないのが、大規模修繕工事業者の選定です。これを行うことで適正な工事内容、適正金額に改まり、修繕積立金の無駄使いを減らすことができます。管理費と修繕積立金はマンション購入後に毎月発生しますので、しっかりと理解しておくことが大切です。

次の項目は、マンション購入と組合員の関係についてです。

管理組合の組合員になる

マンションを購入するということは、そのマンションの区分所有者になります。しいては、自動的にすべての方が管理組合の組合員になることでもあります。

この点は賃貸マンションとは違い、マンション生活と密接してきますからたいへん重要なことになります。

管理組合の役員

管理組合の役員は、理事長、副理事長、理事、監事等で構成されています。
この中の理事、及び監事は、総会で組合員の中から選びます。理事の人数は、管理規約で定められていますので、マンションごとに異なります。さらに理事会において互選により理事長、副理事長、会計担当理事を選びます。

理事の選び方ですが、推薦、立候補、くじ引き、輪番制などで決めます。従来の標準管理規約では区分所有者が理事を受けるようになっていましたが、高齢者の多いマンション等によっては理事のなり手がいないことで外部の専門家でも就任できるように標準管理規約は改正されました。

理事を受ける間隔ですが、輪番制ならば小規模マンションのほうが回ってくる年数は早くなります。それに比べて大規模マンションでは、組合員に対して理事の人数比率が落ちるため間隔はあきます。また何十年と住んでも理事の経験をしないですむ場合もあります。

いずれにしても組合員全員を対象とした通常総会は毎年行われますし、臨時で行われる臨時総会もあります。理事の方は、定期的に理事会が行われ事業計画案などを作成し、総会で決めたことを執行します。

以上のように、マンションを購入することとは、管理組合の一員になるということを知っておいてください。

 

 

マンションデベロッパーとブランド名称

マンションデベロッパーとは、分譲用のマンションを開発する企業のことをいいます。

具体名としては、野村不動産、住友不動産、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンシャル、大和ハウス工業、東京建物、大成有楽不動産、東急不動産、長谷川コーポレーションなどになります。これらマンションデベロッパーは、マンション名称にブランド名を掲げていますので、ご紹介します。

マンションデベロッパー

ブランド名

三井不動産レジデンシャル パークホームズ、パークタワー(20階以上)、パークシティ(大規模マンション)、パークコート(高級マンション)
三菱地所レジデンシャル ザ・パークハウス
住友不動産 シティハウス、シティータワー
野村不動産 プラウド、オハナ
大和ハウス工業 プレミスト
東京建物 ブリリア
大成有楽(旧有楽土地) オーベル
東急不動産 ドレッセ
長谷工コーポレーション パレロワイヤル
大京観光 ライオンズ
アーバンライフ株式会社 アーバンライフ

まとめ

マンション購入する前に知っておきたい点のまとめ。

マンションには専有部分と共有部分があります。
専有部分とは、自己所有の部分=自分の部屋といえばわかりやすいと思いますが、それ以外の部分は共有部分になります。専有部分は自分勝手に変更できますが、共有部分については勝手に変更できません。

マンションと管理会社の関係。
共有部分の清掃やエレバーターの電気代、点検などは、管理会社が行います。この管理会社はたいていマンションを分譲したデベロッパーのグループ会社になっています。

マンション購入すると管理組合の組合員になる。
マンションを購入するということは、そのマンションの区分所有者になります。しいては、自動的にすべての方が管理組合の組合員になることでもあります。

以上、「マンション購入で知っておきたいことパート2」でした。

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